鹿児島県警が調査報道サイト「ハンター」の事務所へ家宅捜索に入り、記者のパソコンや携帯電話を押収した問題で、発端となったのは、鹿児島県医師会の職員が絡む新型コロナ療養施設での強制性交事件の報道だった。当時の県医師会の最高責任者は、池田琢哉会長。池田会長は、2022年1月に被害女性の告訴により事件発覚後は、何の責任もとらず会長職に就いていた。ところが、「ハンター」への捜索があった2024年4月8日の直前、4日付の地元紙・南日本新聞で、「5月の会長選に立候補しない」と発言していた。

ウオッチドッグ記者

全国どこでもそうでしたが、当時、新型コロナ療養施設って都道府県から委託を受けて運営していましたよね。罹患した患者を預かっている施設で、県医師会の職員が強制性交って、何やっているのかと誰しもが思うところ。社会常識からすれば、謝罪、辞任の流れでしょうが、この池田会長はずいぶん神経が図太いですね。何の責任もとらず、その後2年間も県医師会の会長職を続けていたとは、驚きます。

さらに6月15日付の地元紙、南日本新聞に驚くニュース。「ハンター」の報道で追及を受けていた池田会長は、県医師会の政治団体「鹿児島県医師連盟」の委員長も務めていることがわかった。池田氏は2024年6月に県医師会の会長職を退いても、県医師連盟はトップのまま。今回の知事選で、現職知事の陣営に揺さぶりをかける老獪さ。医師というよりまるで“政治家”。南日本新聞は6月21日付で、知事選における県医師連盟の動きを、池田氏の発言とともに報じている。

2024年6月15日付・南日本新聞
2024年6月21日付・南日本新聞

「新しい県政?」って。「あんたは知事か」って、思わずツッコミを入れたくなる傲慢さを、池田氏の発言のふしぶしに感じますね。

6月21日付の「ハンター」の記事には、強制性交事件の性被害者である女性のコメントが掲載されていました。池田氏には被害女性の怒りのコメントを読んでほしいですね。

2024年6月21日付・ニュースサイト「ハンター」の記事より/被害女性のコメント抜粋

「怒りと苦しみで毎日辛いです。」
「県の医師会は性犯罪を簡単に許す団体だとやはり感じます。」

鹿児島県警内部通報、発端の「強制性交事件」被害者が初のコメント|にじむ県医師会・池田前会長への怒り 

6月18日付の「ハンター」の報道によると、県警による家宅捜索の押収物に関する情報が県医師会に事前に出回っていたとのこと。

池田氏が率いる県医師会や、政治団体の県医師連盟は、政治的な影響力が強く、県警も気を遣ったのではないでしょうか。

【速報】暴走する鹿児島県警、県医師会側に捜査情報を漏らした疑いが浮上

 

鹿児島県警は、県医師会のドン・池田琢哉氏の「合意があった」という一方的な発言に沿って、先に結論ありきで捜査をしたのではないでしょうか。県医師会と県警の癒着ぶりに注目し、不祥事を追及していた「ハンター」や関係者らを、県警が捜査する。その強制捜査に関する情報を事前に県医師会へ伝える。県警の指揮命令よりも上位に、県医師会が置かれているのでしょうか。

2022年5月9日付の「ハンター」報道では、池田氏の医師会長再選を支持させるため、「医師派遣打ち切り」を民間の病院経営者へちらつかせる鹿児島大学幹部の重大な疑惑も取り上げられていました。

これでは、鹿児島県民が気の毒です。異常すぎる。

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