鹿児島県警がニュースサイト「ハンター」の事務所を家宅捜索した問題をめぐり、発端となった強制性交事件の被害女性が県警に告訴してから、加害男性に対する取り調べまで11か月もかかっていたことが、「ハンター」の取材で明らかになった。
↓強制性交の事件発生から検挙までの流れ(「ハンター」の記事から抜粋)
2021年9月15日 | コロナ療養施設で強制性交事件が発生 |
12月 5日 | 加害者の男性職員が女性被害者の関係者(雇用主)に謝罪文を送付 |
2022年 1月 7日 | 被害女性が県警に告訴などの相談 |
1月11日 | 中央署が被害女性の告訴を門前払い |
1月17日 | 弁護士の抗議を受けて、県警が被害女性からの告訴を受理 |
2月10日 | 県医師会の池田会長が県くらし保健福祉部へ釈明訪問 |
2月22日 | 郡市医師会長連絡協議会で池田会長が「合意」発言 |
3月31日 | 男性職員が被害女性の関係者(雇用主)の名誉棄損の告訴を中央署に相談 |
4月11日 | 男性職員による名誉棄損の告訴を西署でなく中央署で処理と上層部が伝達 |
5月10日 | 男性職員が被害女性の関係者(雇用主)を名誉毀損で告訴。中央署が受理 |
9月27日 | 県医師会が調査報告を公表、男性職員「停職3か月」 |
10月末 | 男性職員が辞職 |
12月 2日 | 中央署が元職員の男性を取り調べ(1回目) |
12月21日 | 中央署が元職員の男性を取り調べ(2回目) |
2023年1月10日 | 中央署が「ハンター」の取材を拒否 |
1月14日 | 中央署が元職員の男性を取り調べ(3回目) |
1月22日 | 中央署が元職員の男性を取り調べ(4回目) |
1月28日 | 中央署が元職員の男性を取り調べ(5回目) 元職員を被害者として聴取(1回目) |
2月 3日 | 中央署が元職員の男性を取り調べ(6回目) 元職員を被害者として聴取(2回目) |
2月24日 | 中央署が元職員の男性を取り調べ(7回目) |
2月28日 | 元職員を被害者として聴取(3回目) |
3月13日 | 「ハンター」寄稿の小笠原敦氏が「不祥事の捜査の記録」などを県警へ情報公開請求 |
3月17日 | 中央署の署長・井上昌一氏を県警の刑事部長へ異動する発令 |
3月 | 中央署に勤務していた男性元職員の父親(警部補)が退職 |
6月 9日 | 県警が男性元職員を検挙、地検へ送付 |
鹿児島県医師会の男性職員(当時)から2021年9月15日に性被害を受けた女性が告訴に踏み切ったのが4か月後の2022年1月でした。「ハンター」の記事によると、なんと、中央署は、1月11日に告訴の相談にきた被害女性を「門前払い」にしたとのことです。中央署が弁護士の抗議を受けてようやく受理したのが1月17日でした。
しかし、被害女性の告訴を受理後、中央署は捜査に動かなかった。男性元職員の取り調べを開始したのははなんと…
告訴の受理からまもなく1年が経つという直前の2022年12月2日
11か月後
鹿児島中央署はやる気なし。捜査する気なし。強制性交の捜査なのに、取り調べの開始が告訴から11か月後って。これだけでも不当捜査!でしょう。しかも、県医師会が事件に関する調査報告を公表し、男性職員の処分(停職3か月)が出された後のこと。被害者の女性の気持ちを考えると、この記事を書いていて腹が立ってきました。
↓2023年10月25日付・「ハンター」の報道
鹿児島県警、腐敗の証明|背景に「警察一家」擁護と特定団体との癒着
なぜ、鹿児島県警は被害女性の訴えを11か月も放置していたのでしょうか。次回は、ハンターの報道を振り返り、その背景を見ていきます。