鹿児島県警との癒着が疑われている鹿児島医師会が6月27日、「県警と癒着はない」、「発端となった強制性交があったとする事件は、合意があった」と主張を展開するため、報道機関を集めて会見を開いた。約2時間の会見の中で、医師会幹部らは“仰天発言”を繰り返した。性被害を訴えている女性と性加害したとされる男性との私信メールの内容を、当事者の許可なく公表した。被害を訴えている女性や関係者に対する人権意識はかけらもない。会見場にいた記者らから疑問の声が次々と上がった。

下記の質疑応答は、県医師会が同日アップしたYouTubeから抜き出しました。開始1時間16分頃からです。

南日本新聞の記者

医師会としては「女性の訴えに正当性はない」ということを前提としていて、女性(看護師)と男性(医師会元職員)のやりとりやいろんな人のやりとり(私信)を出しています。資料を見ながら、ここまでしないといけないのですかと思いました。女性側は(自身を)「被害者だ」と言っている。医師会は「被害者でない」と言っている。それにしても(私信など)暴露しすぎではないですか。公的な機関の医師会がこれだけやりとりを晒して、自らの正当性を主張する考えを聞かせてほしいです。

常任理事

先ほどどなたかおっしゃったですが、これだけ晒しても、強制性交があったのではないのとおっしゃる方がいらっしゃいます。晒しすぎとは私は思えません。まだ、足りなかったかなと思います。われわれがこのように情報開示するのは初めてです。ですが、相手側は多くのことをメディアで報道してきています。それに対しては物を申さないのですか?

南日本新聞の記者

同じ土俵にのるということですか。向こうがやるから自分もやるというのは…。

常任理事

実害がでているからです。

南日本新聞の記者

だからといって女性をボコボコにしてよいのですか。それも違うのでは。まだジャッジが出ていない状況で(医師会の)組織として、現時点でやるということはどういう判断ですか? マナーとか動議的な問題でもあると思いますが。

常任理事

晒しすぎているとおっしゃっているのは南日本新聞さんの見解であって、個々に見解は違います。しかも、「強姦がなかったという証明にはならない」とおっしゃっている記者さんもいます。晒しすぎとは思えません。

副会長

私も1年前に全国紙に名前を出されました。事ここに至っては、質問が多く来ています。警察と結託して捻じ曲げているのでは、という意見が多くなってきました。晒すというよりは、我々が持っている情報をだそうということになりました。

参照:2022年3月8日付と5月31日付・ニュースサイト「ハンター」報道より

コロナ療養施設で職員が性行為|鹿児島県医師会に問われる規範意識(1)

鹿児島県医師会がなくした「仁」

ウオッチドッグ記者
★コメント

驚きましたね。メールの切り取り方が惨いです。被害女性(看護師)やその雇用主(病院関係者)は、県医師会と同じ医療従事者でしょうに。前後や背景がわからないまま、県医師会が誘導したい被害女性と雇用主のイメージを、メディアに植え付けようとしています。

ただ、そのやり方が稚拙なので、記者らには県医師会側の意図が全然伝わらず、かえって「この組織はどうかしている」という違和感が広がったように、会見の動画を見て感じました。医療従事者というより、選挙戦で相手候補にダメージを与えようとする政治家っぽい雰囲気と言えばよいでしょうか。

被害女性の私信のメールを「晒しすぎるとは思えません。足りないくらいです」と、県医師会幹部が断言したのには唖然とするばかりです。1人の女性を組織的に力で痛めつけようとしています。患者の命や健康を預かる医師の言葉なのでしょうか。鹿児島県民が気の毒です。