大津市の6月補正予算案で、市がこれまで積立ててきた財政調整基金の約46億円から、約21億円を取り崩し、一般会計の財源に充てることがわかった。補正予算案は、約40億円の巨額な支出となる。国庫支出金が9億7000万円、県支出金が2億1000万円、市債が7億6000万円で、不足分の21億円を財政調整基金から繰り入れする。市財政課は、新型コロナウイルス対策だけでなく、佐藤健司市長の政策に関する“肉付け予算”が含まれていると説明している。この“肉付け予算”に、一部自治会や自治連の要望を重視した多額な迷惑料も紛れ込ませている。その一方、新型コロナ対策の医療機関への支援金は600万円にとどまっている。
5月29日に行われた市長会見で、佐藤市長は「今回の補正予算は、新型コロナウイルス感染症対策を最優先に編成しています」と説明していたが、新型コロナ対策関連は、市長会見の説明によると、40億円のうち、6億6,000万円だった。約33億円は、佐藤市長の政策を軸にした、“肉付け予算”ということになる。
佐藤市長が会見では全く触れていなかったが、新型コロナ関連以外の支出として、「大津クリーンセンターの解体撤去費用」約2億5,000万円(令和4年までで総額6億2,000万円)や、迷惑料関連の太田川河川改修事業(大石学区)計7,200万円(衛生費と土木費)、どこの地域が該当するのか不明の道路舗装、改修等の経費3,400万円などがある。
さらに、2014年に焼却炉の稼働が停止しているのにもかかわらず、大津クリーンセンターの迷惑料として、大石学区の自治会へ、自治会館建替え費用3,000万円(衛生費)も2020年6月補正予算で支出するとしている。他に迷惑料として、地域不明の市道改良等の経費(土木費)約330万円などもある。
一方、新型コロナ対策関連の医療機関への支援予算は貧弱だ。佐藤市長は、市独自の支援策として、新型コロナ感染症患者を受け入れした4カ所の医療機関へ各50万円、感染症患者の入院患者数に応じて、1人10万円(対象見込み40人)を支援すると、会見で打ち上げているが、支援金の予算額はわずかに600万円だ。
「財政調整基金」とは・・
コトバンクから
自治体が財源に余裕がある年に積み立て、不足する年に取り崩すことで財源を調整し、計画的な財政運営を行うための貯金。