大津市では、2020年から2022年の3年間に、4学区の3自治連合会と27自治会へ地区環境整備事業補助金(迷惑料)として約2億円が出ていた。そのうち4分の3、約1億4,800万円が、自治会館の増築、修繕、改修や自治会館の運営補助金など、自治会関連に使われていることが情報公開請求で明らかになった。
大津市では、廃棄物処理施設がある立地自治会だけでなく、周辺自治会や連絡調整組織に過ぎない学区自治連合会にも、多額の地区環境整備事業補助金(迷惑料)が交付されている。
迷惑料の対象となっているのは、伊香立、富士見、大石、田上の4学区など。内訳は2020年からの3年間で、伊香立学区自治連合会と10自治会へ約6,500万円、富士見学区自治連合会と6自治会へ約1,800万円、田上学区の7自治会へ約1,500万円が交付されている。大石学区自治連合会と4自治会には、大津クリーンセンターの焼却施設が2014年3月に操業停止したにも関わらず、伊香立学区に次いで2番目に多い自治会館関連として約5,000万円が交付されている。
大津市は、地区環境整備事業補助金(迷惑料)を交付する理由として「廃棄物処理法・第9条の4を根拠としている」と説明している。
同法の第9条の4は、「第8条第1項の許可を受けた者、第9条の3第1項の規定による届出をした市町村及び前条第1項の規定による届出をした者(以下「一般廃棄物処理施設の設置者」という。)は、当該一般廃棄物処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全及び増進に配慮するものとする。」と記載している。
本来、地区環境整備事業補助金(迷惑料)は、周辺地域の生活環境の保全及び増進に限定されるものでなければならないが、大津市は、環境保全とは全く関係のない自治会館の修繕、備品購入や、自治連合会や自治会の運営資金へ市民の税金(公金)を使い続けている。
廃棄物処理法・第9条4には、周辺地域への配慮として、廃棄物処理施設を設置した後も「毎年、巨額な補助金を出すこと」などという記載はどこにも書いていない。実際、廃棄物処理施設を建設した年度に、周辺の環境整備として予算を使い、迷惑料を終了している自治体もある。
大津市は、廃棄物処理法違反ともいえる拡大解釈を延々と続けている。新型コロナウイルスが猛威を振るい、大津市民が経済的にも、心理的にも疲弊していた2020年から2022年の3年間でさえ、一部の自治連合会と自治会への巨額な迷惑料の交付をやめなかった。