大津市の5月補正予算の中身が、ようやくわかった。佐藤健司市長が11日の記者会見で発表した、360億円規模の「新型コロナウイルス感染症緊急対策パッケージ」は、国庫支出金が98パーセントを占め、市財源からの予算は、4億円に過ぎないことがわかった。国の事業にぶら下がった形のものが多く、市の独自性は薄い。子どもたちへの学習支援など教育関係の補正予算は、国の予算とあわせ、1億2千万円にとどまっている。

佐藤市長は5月11日の会見の中で、5月補正予算について、詳細な説明をしていなかった。14日の議会運営委員会で、予算に関する説明資料が配布されたが、市ホームページや市議会ホームページにも、掲載はなかった。18日に市議会の「定例会招集会議」で、5月補正予算案が可決され、ようやく補正予算の全貌が明らかになった形だ。

※議会運営委員会の傍聴が禁止されているため、ウオッチドッグ記者が、市議会事務局まで配布資料を取りに行って入手した。

avatar
一般会計予算に絞って、ウオッチドッグ記者が独自解説します。
avatar
「歳入」をみますと、国庫支出金は、356億円。県支出金は、400万円。大津市の一般財源からの充当金は、約4.2億円。ほとんど、国のカネでしたね。市財源から出すのは、4億円でした。過去、大津市が、自治連関係に出していた「迷惑料(直接事業&補助金)」は、約5億円でした。補助金だけで8億円のときもありました。迷惑料より少ない「新型コロナ支援」予算です。大津市は、自治連に、ザブザブとカネを出すのになあ。
参照として、大津WEB新報の地区環境整備事業№59の記事を読んで下さい。
avatar
「歳出」をみますと、国の1人10万円配布の「特別定額給付金」としての支出が347億円。民生費が1.1億円。衛生費が2,800万円。商工費が10億円。消防費が640万円。教育費が1.2億円でした。意外と教育費が少ないですねぇ。

市議会の「令和2年度5月補正・一般会計」の予算説明資料でみてみましょう。

avatar
市単独事業として、本庁舎内のパソコン2,720台が利用できるリモートアクセスのライセンス使用料として、1,200万円を計上しています。人事課は、在宅勤務ができる環境整備を目指すとしていますが、懸念材料も想定されます。

公用車の消毒など衛生用品の経費、窓口カウンター飛沫防止の対策工事費などに、管財課が1,500万円を計上しています。

WEB会議用カメラ導入の経費などに、危機・防災対策課が170万円を計上しています。今まで、持ってなかったのかなあ?
avatar
国事業の特別定額給付金が、347億円を占めています。
障害福祉課の6,200万円は、衛生管理や、テレワーク、地域活動支援センター等の受入体制強化、福祉タクシー券などに支出されるようです。障害関連の支援は、国と市の事業となっています
avatar
子ども家庭相談室が、学校の臨時休校要請に伴う子どもの居場所づくりなどで68万円を計上。こちらは、市単独事業です。

国と市の事業として、幼児政策課が、公立保育園の衛生用品の購入経費を234万円、保育幼稚園課が、民間保育園の衛生用品の確保支援費として、447万円を計上しています。

子ども関連の支援予算は、これだけですか?
avatar
保健所関係の市単独事業はというと、衛生用品購入費として1,000万円、WEBを活用した子育て相談の実施など、205万円を計上しています。

保健所への市独自支援の予算は、1,200万円だけです。これで足りるのでしょうか?
avatar
佐藤市長が11日の会見で、市独自の支援制度としてアピールしていた10億円の「小規模事業者等給付金事業費」ですが、国の「地方創生臨時交付金」が7.6億円を占めています。地方創生臨時交付金は、内閣府の予算事業です。市単独予算は2.7億円です。内閣府が、「地方創生臨時交付金」の活用事例をホームページに出しています。経済的な支援とするなら、草津市のように、県の支援金に上乗せする形のほうが早いと思いますが。

内閣府の資料によりますと、「地方創生臨時交付金」で、損失補償は出来ないと書いてます。大津市は、3カ月分の売上減少率に応じて、小規模事業者などを支援するとしています。そして、休業要請に応じた事業者であるかは判断基準にしないとのこと。

内閣府に問い合わせすると、「線引きが難しい部分です。青天井になってしまうので、一定の上限額を設ける場合は、認めるという形もしています。個別判断とさせていただいております」ということでした。
2020年5月11日の佐藤市長会見から。

↓草津市は、県の「臨時支援金」に市支援金を上乗せしています。

↓内閣府の「地方創生臨時交付金」Q&Aより

佐藤市長は、この内閣府の活用事例を読まずに、7億8,000万円の使途を、5月11日午前中に、市長、副市長、総務部長、総務部次長、財政課の課長の5人で協議して決定したという。

↓内閣府の「地方創生臨時交付金」の活用事例より(一部画像を取り込みました)

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/rinjikoufukin/pdf/jireisyu_ver1-2-1.pdf

avatar
学校教育課が、臨時休校措置に伴う学習支援関係の予算を4,400万円を計上し、公立小中学校の衛生用品の購入費として、6,500万円も計上しています。公立幼稚園の衛生用品の購入費は、幼児政策課が、1,300万円で計上しています。
市単独の教育支援事業ってないんでしょうか?

財政課によりますと、国から入る「地方創生臨時交付金」の7億8千万円のうち、7億6千万円が、商工労働政策の小規模事業者への給付金で、残り2,000万円を学校教育課の学習支援費に充てるとしています。

↓参照:2020年5月13日・ウオッチドッグ
全く予算内容がわからない会見だった。

見かけ倒しの360億円支援/大半は国の10万円給付金/佐藤市長が「ミスリード」会見/市の緊急対策パッケージ/ウオッチ大津№189

↓2020年5月18日に、5月補正予算案を可決しました。

一般市民にはケチな大津市だが、有力会長らがいる「自治会、自治連」には、惜しみもなくカネを出してきた歴史がある。市長や市議らの後援会関係者がいるためか。今回の地方創生臨時交付金の使途も、同じ匂いを感じるが……。

下の表は、ウオッチドッグ記者が、2017年にまとめた「地区環境整備事業補助金(迷惑料)」。大津市は、廃棄物処理施設がある立地自治会だけでなく、自治連合会と周辺全ての自治会へ、億単位の補助金を、迷惑料として支出してきた歴史がある。一部の自治会や自治連合会へ計8億円の地区環境整備事業補助金を出していた時もあった。ちなみに、この補助金だけでなく、直接事業という形で、隠れ迷惑料が存在していたことも、大津WEB新報で、調査報道した。

avatar
佐藤市長や市議らの報酬費を下げてから、税金使った対策費を捻出してちょーだい。ウオッチドッグ記者

↓参照:2017年3月14日付・大津WEB新報

「隠れ迷惑料」年3億1千万円が判明/補助金の2倍、直接事業/地区環境整備事業№59