大津市が5月21日、約1万5000筆の住民の署名の受け取りを拒否した。ウオッチドッグ記者は現場にはいなかったが、すぐにこの動きを追いかけた。
市民部長が署名の受け取りを拒否!
京都新聞の5月22日付の記事は次のように伝えている。
市側と学区自治連で約2時間、押し問答となった。学区自治連側は「地域住民の声に押されて集めた署名。市は市民の要望を受け止めないのか」と主張。市民部長は署名を押し戻したり「市自治連に提出したらどうか」などと発言。学区自治連側は署名を持ち帰った。
住民の署名を受け取らない自治体など、前代未聞Σ(・□・;)、さすがに批判だらけの自治体でも、そこまではしないと思っていたが、ついに最終ボタン🔘を押してしまった感がある。
いったいどういう状況だったのか。ウオッチドッグ記者は、大津市市民センター改革推進室に電話を入れた。電話に出た職員は、憔悴した声で「市民から批判の電話がかかってきている」。ウオッチドッグ記者は、「それはそうですよ。もう大津市役所は終わり。やってしもうたな。市民部長が市民の署名を受け取らないでは、市民の信頼感は完璧に失墜しました。民主主義の崩壊。上がそんな対応では、現場の職員も大変ですねぇ」と話した。
その後、自治協働課の田中鉄也課長へ電話して、「市民部長はどうして署名を受け取らなかったのか」と聞いた。「2月の市長の記者会見の発言はご存知ですよね。大津市自治連合会長から、今後どうしていくかを一体としてまとめるという話がありましたので」と、新聞で報道されていた通りのコメントが返ってきた。ウオッチドッグ記者が「大津市は危機管理が甘いのでは。こんな対応したら、取返しつかなくなりますよ」と話すと、課長は「市として説明が足りないので、今後、しっかり説明をしていくようにしていきたい」と、模範的な回答が返ってきた。
しかし、これはピント外れもいいところ。「説明も何も、市民との信頼関係を大津市自らが壊しておいて、誰が大津市の説明を聞くのでしょうか。住民の署名を受け取らなかったという事実は、そういうことですよ」。市民の声を拒絶しておきながら、何を説明しようというのか。彼らに「市民部」を名乗る資格はあるまい。