任意団体の大津市自治連合会が、臨時定例会を2018年5月28日に、大津市役所7階の大会議室で開催した際、大津市職員が誰も同席していなかったことが取材でわかった。大津市は特定の任意団体に、無償で大会議室を貸し、全く自由に使わせ、便宜を図っていた。その一方、大津市自治連合会は市庁舎の会議室を、我が物顔で利用している実態が浮き彫りとなった。所管の自治協働課は「市政に関することを協議するということなので、管財課に会議室の利用を申請した。当初、市職員も同席するつもりだったが、変更となった」と釈明している。

臨時定例会は、大津市自治連合会長が越直美市長に「学区ごとの署名を受け取らないように」と要請したことにより、3学区で集めた1万5千人の署名の受け取りを、市が拒否するという前代未聞のニュースが報道された直後に行われた。その場にいた市職員の話によると、大津市自治連合会側から「市職員は会議室から出ていくように」と言われ、その場を立ち去ったという。大津市自治連合会の会議は、市職員が同席しない密室の中で行われた。会議終了後、「今後、学区ごとの署名を提出しても構わない」ということを、立ち話という形で市側へ伝えられた。

大津市の職員が、大津市自治連合会の言いなりになって動いているという実態は、これまでもウオッチドッグが再三、伝えてきた。今回あらためて、大津市自治連合会が市役所を私物化している一例が明らかになった。

市管財課の話によると、一般的には、民間団体へ市庁舎内の会議室を貸し出すことはないという。市庁舎内の会議室などを、民間団体などへ使用させる場合は、市政に関係することに利用することと、市職員が必ず同席することが前提という。今回、大津市自治連合会の会議に、自治協働課が同席していなかったことについて、管財課は「管財課としては、各課から会議室利用の申請があって許可しているだけなので、どのような利用をするのかは、各課の判断になる。自治協働課が同席していなかったことは知らなかった」と説明している。