大津市自治連合会が、運営資金の約半分にあたる230万円を「事務員の給与費」に充てていたことが、情報公開請求の開示資料でわかった。大津市が定めた補助金の交付基準に違反する疑いがある。市はこうした事実を把握しているのに、市自治連に毎年300万円の運営補助金を支出し続けている。

市自治連の運営資金は年間500万円。内訳は、市からの300万円の運営補助金、市内36学区の自治連合会から集めた会費162万円、大津市社会福祉協議会からの助成金38万円。

ウオッチドッグの情報公開請求に基づき開示された、市自治連の2017年度の実績報告書によると、運営費の約半分の230万円が事務員1人の給与費に充てられている。230万円のうち、給与そのものは176万円。残り54万円は事務員の社会保険料、所得税、住民税などに使われている。

「大津市自治連合会運営補助金交付基準」は、補助金の目的を「住民福祉の増進と地域社会の発展」とし、補助対象経費を、「総会、定例会等会議事務経費」と「視察研修、各種大会参加等事業経費」の2つに限定している。事務員の給与など人件費は、補助対象の項目に上がっておらず、基準に違反する疑いがある。

市自治連に補助金を支出している市自治協働課は、「事務員の給与費は、交付基準の(定例会等会議)事務経費と(各種大会参加等)事業経費に含まれる。交付基準に反していない」とコメントしている。しかし、大津市自治連合会の収支決算書で、事務員の給与費は、事務費にも事業費にも含まれず、給与費として計上されている。

市自治連には、会長だけでなく、事務局長や会計などの役員らがいるが事務作業はしていない。市自治連が雇用した事務員に230万円を支払い、事務作業をさせている。実際にどれほどの仕事量なのか、仕事量に見合う給与なのかは不明。

市自治連は任意団体でありながら、市役所内に事務員を常駐させている。スペースは市民部自治協働課の一角にあり、無償提供されている。総務課が「公共的な団体」という理由で「行政財産使用許可書」を出している。しかし、「公共的な団体」であるはずの自治連の事務員は、ウオッチドッグ記者が会計について問い合わせをしても、「私では答えられない。会長に聞かないとわからない」という対応に終始した。

2017年度の大津市自治連合会の会長は、坂本学区自治連合会長の谷正男氏。副会長は、晴嵐学区自治連合会の目片弁章氏と南郷学区自治連合会長の宮崎和夫氏と、伊香立学区自治連合会長の木村重次氏。事務局長は、木戸学区自治連合会長の高山久七氏。会計は、中央学区自治連合会長の安孫子邦夫氏。

支払日 事務員給与 支払日 事務員給与
4月 138,338 10月 137,797
5月 125,627 11月 145,772
6月 134,797 12月 143,252
7月 124,139 1月 128,191
8月 123,165 2月 127,478
9月(賞与分含む) 304,257 3月 132,217

↓大津市自治連合会の運営補助金の交付基準

↓大津市自治連合会の運営補助金の実績報告書/自治連から大津市へ

PDF:平成29年度大津市自治連合会の実績報告書/事務員の給与費

PDF:平成29年度大津市自治連合会の実績報告書/事務員の給与費(社会保険料などその他)