自治会の連絡調整組織でしかない大津市自治連合会が、なぜ、高級ホテルで会議を開くのか。

5月10日の大津市と大津市自治連合会の宴会を取材した際、琵琶湖ホテルのロビーの壁にあった「ライオンズクラブ」の文字を見て、「そういうことか」と合点がいった。幼い頃の記憶が蘇った。

筆者の父親は、事業経営をして、地元のロータリークラブに所属していた。その時分、地元ホテルで開かれる例会に、度々参加していた。「△△ホテルでロータリークラブの例会がある」と話していた。ネットで調べると、大津ロータリークラブも琵琶湖ホテルを利用している。ロータリークラブもライオンズクラブも、企業経営者などが自らの会費でホテルの会場代を支払って利用している。公金は使用されていない。

大津市自治連合会が、ホテルで会議を開くのは、企業経営者らがやっていることの真似ごとだろう。大津市自治連合会は「会議」の名称を、クラブ会員らがよく使う「例会」の文字を入れ「定例会」と呼んでいる。他方、各地域の単位自治会の会議を「定例会」などとは表現しない。

大津市自治連合会は、地元住民から徴収した自治会費と、大津市の補助金が原資の公金を収入源として運営している。自らの懐を痛めず、公金を会場代に充てて、大きなホテルで会議を開いている。クラブ会員の真似をして悦に入りたいのか、それとも、自分たちの仕事は高級ホテルにふさわしいと勘違いしているのか。どちらにせよ、無用な支出であることには違いない。経費を自己負担するとなったら、会議だけのために高級ホテルを使うことはあるまい。

財政難を理由に、公共施設の市民センター統廃合が行われようとしている中、高級ホテルで会議を開いている大津市自治連合会へ、大津市は毎年、運営補助金300万円を支出し続けている。大津市自治連合会も、大津市も、無自覚としか言いようがない。市民に対し、どう説明するというのか。