9月4日に台風21号の暴風雨が通過した関西地方で、関西電力のサーバーがダウンして、関電も大津市もどこの地域が停電したかほとんど把握できない状態が続いていたことが、大津市危機・防災対策課への取材でわかった。大津市から関電への連絡手段はFAXだった。両者を結ぶ専用回線は設置されていなかった。

大津市危機・防災対策課は、災害直後から関西電力に被害状況を伝えるために電話したが、誰も出なかったという。危機・防災課は、連絡が通じなかった理由として、かつてない災害のため、関西電力は社員を総動員し復旧にあたっていたため、電話に出られる状態ではなかったとしている。

そのため、連絡手段として、FAX で被害地域の情報を関西電力まで伝えたという。送信したFAXを、受信側の関西電力が確認したかどうかは未確認だが、被害地域の情報を次々にFAXで送り続けたという。

さらに、被害状況と関西電力の動きなどを、大津市の対策本部ですら把握できず、報道で知ることも多かったと説明している。4日の山中比叡平の全域停電は、山中比叡平学区の支所長から危機・防災対策課へ電話があって、初めて知ったという。

現状のままでは、万が一、関電の原子力発電所で事故が発生した際も、現状両者の連絡手段はFAXだけになるとすれば、避難の指示など迅速な対応は不可能だと言える。