台風21号が関西を直撃した9月4日、大津市は、副市長や部長らで組織した大津市災害警戒本部を、大雨警報が発令中で、大規模な停電が続く最中、午後7時に解散していたことが明らかになった。大津市は「残っている職員もおり、問題はなかった」としているが、市役所内には幹部が不在だったことに、内外から疑問の声が上がっている。

この日は午前中から台風の影響で、土砂災害警報、暴風警報、大雨洪水警報、大雨警報が大津市全域で次々と発令されていた。このうち、土砂災害警報などは午後6時から7時までの間に解除されたが、大雨警報は翌日の未明まで継続していた。

さらに、山中比叡平など複数の地域で、大規模な停電や道路の不通などの被害が続いていた。一部の地域で停電は5日の午後5時まで続いた。

台風などで警報が発令された場合、各部の部長ら市幹部で構成する災害警戒本部が発足する。本部長は副市長が就任するという。災害や被災に関して緊急性の高い事案に対する決断をする。安否確認のために各支所で保管している要援護者の台帳を開示するかどうかの判断も、本部長しかできない。

今回、警戒本部は4日午前10時3分に発足した。しかし、午後7時に解散した。市長、副市長、各部の部長らは、午後6時に土砂災害警戒警報が解除されたため、午後6時半の警戒本部の会議で解散を決めた。警戒本部を解散後は、市幹部らはそのまま帰宅した。

こうした対応について、大津市危機・防災対策課は、「警戒本部を解散しても、警戒2号体制(各部の職員1人が待機)が続き、残っている職員もいたから対応には問題なかった」と説明している。

↓大津市の平成30年台風21号事案概要/対策本部の会議資料

↓9月4日から9月5日の大津市災害警戒対策本部の動きと、各地の警報状況の一覧/ウオッチドッグデスクが作成