台風21号の影響により、大津市の山中比叡平が26時間の停電が起きていた最中、地元の自主防災会の会長が独自に情報を集め、「台風21号まとめ」として9月5日に自らのブログで発信していたことがわかった。被害状況と長時間停電が及ぼす市民生活への影響などに言及している。その間、全く情報発信をしなかった大津市自治協働課との違いが際立っている。

このブログは山中比叡平自主防災会の会長による「山中比叡平の防災」。それによると、「市民センターを防災拠点として整備するように、毎年のように大津市へ要望してきたが一向に進まない」と嘆きの言葉もあった。ブログによると、山中比叡平市民センターの電話は、1時間ぐらいバッテリーで繋がっていたが、すぐに使えなくなったという。市民センターの電話機のコードが床下に潜り、プラグがなく、電気を供給することすらできなかったと書いている。

さらに、停電の原因となったのは、山中越えの大津市側の道路ぎわの倒木だったと、かなり早い段階に、地域の自治会長がその場所を確認し、市民センター経由で大津市に伝えていた。しかし、その情報が関西電力に伝わっておらず、場所を到底するのに余計な時間がかかったという。

また、このブログでは、災害時には1,000人ほどがスマホでこのブログをチェックし、山中越えの交通状況や停電の復旧についての目途に関心が集まったとしている。地域住民の関心は、ライフラインの復旧に関することだった。

一方、そうした情報が大津市のホームページでほとんど発信されていなかった。「市民部」という名称を掲げながら必要な情報を伝えない大津市自治協働課、関係機関と連携のとれない福祉関係部署の体たらくの状況下、山中比叡平自主防災会のブログが、地元の行政機関を上回る、市民に対する情報提供の役割を担っていた。

↓山中比叡平の防災
http://blog.livedoor.jp/shagal/


※災害状況がリアルにわかるため、アイキャッチ画像の写真は、山中比叡平自主防災会が撮影した写真を使用しました。