一般財団法人「滋賀県青年会館」(理事長、元農水相の岩永峯一氏)が滋賀県から受けている補助金71万円をめぐり、新たな問題が浮上した。青年会館は、青年団が集う宿泊研修を館内で年2回実施する際、利用した81人から宿泊料を徴収せず、逆に県からの補助金を使って全額負担していたことが分かった。

ウオッチドッグによる情報公開請求で開示された資料によると、青年会館は「ゼミナール事業」と称して年2回、青年団員を対象とした「若衆宿」という1泊2日の研修を実施している。その際、参加した延べ81人から宿泊料(1泊4,700円)を徴収せず、逆に、宿泊料を青年会館が負担した形にし、約38万円を「支出」の項目に入れて経理処理していた。

青年会館は、青年団の支援という名目で、年1,000万円する県有地の使用料を県より免除してもらっている。土地代の免除という優遇だけでなく、青年団の宿泊研修を目的にしたゼミナール事業で、補助金71万円も滋賀県から受け取り、団員の宿泊費を無料にしていた。

青年団を統括する滋賀県青年団体連合会の事務局は、青年会館内にある。ウオッチドッグの取材に対して、青団連の事務長は、県内の青年団の団員数を300人に水増ししていた事実を認めた。実際の数は、100人にも満たないが、県は100人にも満たない青年団員が青年会館へ宿泊する際の宿泊費を公金で支払うという優遇を続けている。

↓2017年度滋賀県青年会館ゼミナール事業収支決算書