元農水相の岩永峯一氏(76)が理事長を務める一般財団法人「滋賀県青年会館」(大津市唐橋町)に対して、滋賀県が貸し出している土地の使用料を徴収せず、無償で提供し続けていた問題で、同会館の事務長が、「理事長は会わないと言っている」とウオッチドッグの取材には応じないことを明かした。一方、事務長は理事長の予定を把握しておらず、同会館が公益性が高い事業を行っているのか、疑問符が付く状態になっていることもわかった。

ウオッチドッグは4月6日から約1か月にわたり、滋賀県青年会館の事務長に対し、理事長への直接取材を依頼してきた。問い合わせに対し、事務長が回答できず「理事長しかわからない」という項目が多数に上ったからだ。しかし、理事長は取材を拒否している。

さらに、青年会館に来る予定日について、事務長は「把握していない。いつ来るかわからない」と答えた。法人の事務を統括する立場の事務長は、岩永理事長の動向を知らないという。

滋賀県青年会館は、40年間にわたりホテルを営業しているが、4857平方㍍の土地は滋賀県が所有している。行政財産の使用料を全額免除する理由として、県は「滋賀県青年会館が、県内の青年団活動の拠点施設であることや、青少年の育成を目的とした事業をしていることから、県の補完機関として果たしてきた役割が大きく、公益性が高い」としていた。

滋賀県市民オンブズマンがこの問題を見つけ、昨年8月に監査請求を起こしていた。滋賀県監査委員は、9月に随時監査を行い、11月の公表で「減免基準の見直し」を県に求めた。県の所管課は、契約が切れる来年までに判断したいと、問題を先送りにした。

↓滋賀県青年会館の行政財産使用関連の資料