滋賀県が県有地を破格の安さで貸し出ししていることを違法とし、滋賀県市民オンブズマン(代表、浅井秀明氏)が損害額2億5,555万円の住民監査請求を提起したが、7月31日に行われた意見陳述の場に、代表監査委員の藤本武司氏(元総務部長)と、議員枠の監査委員、大野和三郎県議(自民党)が欠席していたことが、関係者への取材でわかった。

滋賀県市民オンブズマンは、「南郷水産センター」(滋賀県漁業協同組合連合会が運営)と一般財団法人「滋賀県青年会館」(理事長、岩永峯一元農水大臣)とに対し、滋賀県が県有地などを破格の安さで貸し出していることを違法とし、南郷水産センターの損害額2億4,560万円、青年会館の損害額990万円を賠償するよう、7月12日に住民監査請求した。県庁6階の監査執行室で7月31日に請求人らの意見陳述(地方自治法第242条第6項第7項に規定)が行われたが、4人の監査委員のうち、2人が欠席した。

欠席した代表監査の藤本氏は2018年度当時、今回の監査対象となる減免率の基準変更について決裁した立場だった。県監査委員事務局は、「藤本氏は関係者のため、今回の監査から除外となっている」と説明している。

一方、事務局は、大野県議の欠席について「所用のため」と説明している。「監査より重要などんな所用があったのか?」という質問には、「わからない。所用としか聞いていない」と答えている。

監査の対象は、財務関係が主だが、滋賀県知事は、財政課を統括していた総務部長を定年退職後すぐに、監査する側の監査委員に任命するという、慣れ合い人事を行っていたことになる。

「昨年まで総務部長だった人物が、監査委員へスライドするのはおかしい。自らのやってきたことを監査することになる。公平なチェックができるのか?」というウオッチドッグの質問に、事務局は「議会の承認は得ています」と答えている。

事務局によると、4人の監査委員を決める際、候補者を提案するのは、県総務部人事課だという。

↓滋賀県総務部の所属と所管一覧

↓滋賀県ホームページから/監査委員について

↓滋賀県議会枠の監査委員、大野和三郎県議(自民党)
豊郷町の元町長で、2007年に県議会議員になり、3期目。豊郷町長時代は、豊郷町立豊郷小学校の校舎改築問題で、校舎の解体を強硬に推進しようとしたため、歴史的な建造物の保存を求める町民らと激しいバトルを繰り広げた。

参照:ウィキペディアから/豊郷町立豊郷小学校