ウオッチキャットが、大津市役所の広報課と市政記者クラブの部屋の前を、尻尾をふりふり散歩しました。

ふと広報課の目の前にある大津市政記者クラブ(記者室)を覗きました。すると、記者2人が記者室のソファで足をピンと伸ばして、横になってごろにゃんと寝ていました。にゃんとまあ。後で、ウオッチドッグ記者に聞いたら、この日は、ネコ界でいうところの寄り合い(市議会の通常会議)があったらしい。しかし、まだ、市役所は閉庁前。午後4時頃だった。それなのに、記者が市役所で熟睡?? ネコの睡眠時間は1日12時間から16時間ぐらいだけど。寄り合い準備で疲れているだろう役所の若い衆は、もちろん誰も寝ていなかったわよ。

ウオッチドッグ記者が以前、「某新聞社の(ネムリ)論説委員から『若い頃、大津市役所には、眠りに行っていた』という発言を聞いた」と驚いていたけど、大津市政記者クラブの「ネムリ伝統」は息づいていたのねぇ。そもそも、市政記者クラブの部屋は、広報課からあてがわれたスペース。行政財産使用許可書を申請していないので、広報課の職員が、記者室の受付にいて、各社の記者のお世話や来訪者の応対をしているのよ。驚くじゃありませんか。

どこが、独立独歩のジャーナリズム精神さ。市政監視の番犬機能どころか、広報課の職員に何から何までお世話になっているポチ状態で、すっかり、犬小屋の中のようにリラックスしている。ウオッチキャットは「眠かったら、社に戻って寝れば」と思ったわ。すぐ近くにそれぞれの支局があるだろうに。大津市役所の記者室は、公共の場だよね。

記者クラブは、新聞協会に所属している記者で構成されているらしい。そこで、ちょっと調べてみると、新聞協会が2002年に記者クラブについて、まとめた声明を見つけました。

「情報が氾濫(はんらん)する現代では、公的機関が自らのホームページで直接、情報を発信するケースも増え、情報の選定が公的機関側の一方的判断に委ねられかねない時代とも言えます。報道倫理に基づく取材に裏付けられた確かな情報こそがますます求められる時代にあって、記者クラブは、公権力の行使を監視するとともに、公的機関に真の情報公開を求めていく社会的責務を負っています。クラブ構成員や記者会見出席者は、こうした重要な役割を果たすよう求められます」

公的機関に情報公開を求める記者が、情報公開請求した後、記者クラブの部屋で横になって寝ていたら、仕事を増やされた役人も納得しないだろうさ。

ウオッチキャットが尊敬している明治のジャーナリスト宮武外骨先生の滑稽新聞の記事に、明治40年に発足した「新聞協会」のことが書いてあった。題して「イカサマ新聞協会」

「全国新聞記者大会決議実行委員共は、全国の新聞雑誌記者等相互の気脈を通じ、共通の利益を計るという趣旨で、新聞協会と称するものを組織した。政府の鼻息を窺ったり、富豪の提灯持をする雑誌のみである今日、この上相互に気脈を通じて共通の利益を計られては、社会はますます暗黒となるであろう・・・・」

明治に発足した新聞協会は、加盟した新聞社が気脈を通じ共通の利益を計って、昭和の大戦では、悪名高い大本営発表を乱発。外骨先生が言った通りになった。しかし、現代の新聞協会のホームページを読んだら、発足は戦後の1946年となっている。戦前にも外骨先生が批判した前身の新聞協会があったはず。まさか、この事実は消されてる? にゃんとまあ、魔訶不思議な新聞協会と記者クラブ!

↓明治40年6月5日付「滑稽新聞」の近時雑報/イカサマ新聞協会