ウオッチキャットは、11月7日付各報道機関の呼吸器事件のニュースで、滋賀県警の「コメントを差し控える」の文字を読んで、怒りで尻尾を逆立てた。ウオッチドッグは、11月11日付で報道した。

滋賀県東近江市で2003年に起きた人工呼吸器事件で、滋賀県警が、元看護助手の西山美香さん(39)に有利となる証拠が含まれた「捜査報告書」を、約15年間も隠し続け、2019年7月になってようやく検察に提出していたことを、11月7日付で報道機関各社が一斉に報道した。西山さんは、滋賀県警から自白を誘導され、作成された「自供書」を基に有罪判決を受け、12年間にわたり服役させられていたことになる。西山さんは再審で近く、無罪となる見通しだが、失われた年月は戻らない。滋賀県警は、報道機関の取材に対し「コメントを差し控える」としている。

11月11日付・ウオッチドッグ
https://watchdog-journalism.com/shiga36
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「コメントを差し控える」だって。だんまりで終わるつもり? 公判中だから? いつコメントするだろうニャ?
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15年間も捜査報告書を出さなかったってどういうことよ。ありえないでしょう。
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捜査ミスということでなく、西山さんにとって有利となる証拠資料の「捜査報告書」があるのを、意図的に出さなかったってことだニャ。悪質すぎる。
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中日新聞の記事を読むと、「(死亡した患者の)写真を並べておいて、机に顔を近づけるような形に押しつけました。怖くてたまりませんでした」という西山さんの上申書があったようだけど。今の時代で、こんな捜査手法って、許されるの? 江戸時代か。
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普通に暮らしていた女性がある時、警察に引っ張られて事情聴取を受けて、恫喝まがいの“自白”の強要があったら、やっていないことでも、やりましたって言っちゃいそう。西山さんのケースだけでなく、冤罪事件は全国各地で起こっている。
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それで思い出した。ウオッチドッグ記者の知り合いに、80代の後期高齢の女性がいるんだけど、数年前、近隣トラブルにあい、隣人に告訴され大津警察署の任意聴取を受けたことがあった。傷害事件でもなんでもない、ご近所同士のただの小競り合いさ。それをわざわざ、その女性を任意同行で夜中に大津警察署まで連れ出し、別の日に刑事一課が任意聴取の呼び出しをした。
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小競り合いだけのことで?
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そうそう。この時、ウオッチドッグ記者は、この女性から電話が来て、任意聴取の同行を頼まれたので、大津警察署まで一緒に行った。高齢だけでなく、がん患者でもあり、心配だったしね。 付き添いさ。
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それで、どうしたの?
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いやあ、驚いたよ。付添人は入ってはダメって言われたので、警察署の廊下で待つことになった。この女性は、病気のため、水のペットボトルを欠かさず持ち歩き、しょっちゅう飲んでいた。でも、刑事一課の室内に入るとき、ペットボトルの持ち込みはダメって取調官に言われたから、ウオッチドッグ記者が預った。
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そして?
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ウオッチドッグ記者が「この方は病気なので、水を飲まないと身体が持ちません。心配ですから、ペットボトルの水を持たして下さい、高齢者なんですよ」と取調官に言ったよ。
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取調官は何て?
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そしたら、取調官が、「ペットボトルの持ち込みはダメです。休憩させますから」だって。それで、1時間半も待っていたかなあ。全然、休憩するような気配がないわけ。何やっているんだと思い、刑事一課のドア近くにある呼び鈴をバコバコ鳴らして、「はよ、休憩させて下さいよ。高齢者ですよ」と催促したわけ。その後、ようやく休憩させた。言わなければ、そのままだったよ。後期高齢者に水を飲まさず殺す気かと思った。
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ひどい話だニャ。警察署内における人権侵害でしょう。
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続きがあるんだけど、次の聴取の時に、弁護士にも来てもらったら、今度はペットボトルの水の持ち込みはダメとは言われなかったんだ。弁護士が来たら、「持ち込みOK」ってどういうことよと思った。ペットボトルの持ち込みがダメなんて規則でも何でもなかったってこと。聴取の手法なんて、取調官の裁量次第ってところじゃないの。水を飲ませたくなかったら、やらないだけとしか。
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いい加減な話だニャ。
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結局、事件にも何にもならずに、終わったんだけど。それもそうさ。ただの小競り合いの話だったしね。それでも、5回ぐらいは、警察で聴取を受けたみたい。その後、この女性に会ったとき、涙を流しながら回想してこうつぶやいていた。「後期高齢者をひどい目にあわせた」って。
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辛かっただろうニャ。2019年6月6日付で京都新聞が報道していたけど、大津警察署で選挙違反の任意捜査で聴取中の2人が救急搬送されたって記事もあったニャ。

↓2019年6月6日付・京都新聞
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/8027

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この記事知っている。この人らも、水を飲ませてもらえなかったり、体調不良を訴えても、取調官が応じなかったんだよね。ウオッチドッグ記者は、実際、知人の高齢者に、取調官が「水の持ち込みダメ」って言ったのをこの耳で聞いたから、この記事の情景は想像がついた。やるだろうと思った。
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世間に衝撃を与えた警官射殺事件で、2019年2月9日付の京都新聞が、滋賀県警の体質の問題に踏み込んだ記事を書いていたニャ。

↓2019年2月9日付・京都新聞
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/3417

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外部の組織論の専門家が、滋賀県警の体質について「閉鎖的、人権意識の欠如。身内に甘く加害者を生んだという認識が足りない。警察と世間の常識にはずれがある」と批判していたけど、滋賀県警は、「組織風土に問題ない。判決内容についてはコメントする立場にない」と話したそうだよ。
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問題が起きた時「コメントを差し控える」やら「コメントする立場にない」と発言するのは、滋賀県警幹部の常套文句として、歴代署長らの輝かしい写真の横にでも貼っているんじゃないかニャ。
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朝礼で連呼していたりして。
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さぁ、若い警察諸君、この言葉を覚えないと出世できませんぞニャ。「コメントを差し控える」「コメントする立場にない」。ご一緒にどうぞって感じ?
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前に、ウオッチドッグ記者が、大津市自治連から警察署長らへのカップラーメン大量差し入れ問題(市補助金が原資)を取材して報道したことがあったけど、あの時も、大津署へ電話しただけで、副署長から「こちらへかけてくるな」と怒鳴られるわ、たらい回しにされるわで、受け取った人物に確認も出来ず、詳細がわからんかった。その後も、数年かけてしつこく調査したけどさ。
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外部の識者が、滋賀県警は、外部との交流が少なく閉鎖的になっているのが問題と言っているようだから、外部の風をどんどん入れたったらいいと思うニャ。一応、県民の声を受け付けるフォームはあるようなので、活用したらどうかニャ。
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これだけ不祥事が続けば、誰がみても、組織風土の問題だっちゅうに。

https://www.pref.shiga.lg.jp/police/soudan/303140/104661.html

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制度に詳しい人に聞いたら、こんなものもあるって教えてくれたニャ。

【警察法第79条に基づく苦情申し出制度】

 各都道府県警察を管轄する公安委員会に対して、取り調べのみならず警察活動全般についての苦情を申し出ることができる。

https://www.pref.shiga.lg.jp/koan/kujou/

 原則として、公安委員会は申し出に対して、調査の実施と結果の通知の義務が生じる。 

「被疑者取り調べ適正化のための監督に関する制度に基づく苦情調査」というものがあるようで、「取り調べ監督制度」について、京都新聞が、2019年10月9日付で報道していた。

https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/27267

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2019年10月9日付の京都新聞の記事によると、制度が出来ても、自白を追求する組織的な方針があると、内部的な監督で効果があるか大きな疑問だって。
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自白第一でなく、丁寧な調査と地道な捜査で真実を明らかにするという姿勢が大事じゃないのかニャ。
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大津市もそうだったけど、外部から見られているという意識の変化から始まらないと変わらんと思う。京都新聞の記事の中で、刑事訴訟法の専門家が話している「第三者によるチェックと、録音、録画の対象を全事件、全過程に拡大すべき」という提案に賛成するわ。