ウオッチドッグでは、新しい試みとして、「市長にこう聞く」をお届けします。
ウオッチドッグ記者は、大津市広報課と記者クラブ主催の記者会見に参加できません。大津市政を監視、調査する中で、記者会見に参加できないことは、それほど重要ではないですが、市長が会見場で話す本音に、調査する上で重要な要素を見つけることが、たまにあります。
それなので、ウオッチドッグは、会見録にこだわります。
今回の趣向は、ウオッチドッグ記者が、大津市の市長会見の場に参加したら、どんな質問をするのか、「もしも、ウオッチドッグ記者が会見場にいたら…」でお送りします。
司会進行の広報課職員に扮するのは、ウオッチキャットです。
司会進行の「広報キャット」です。記者のみなさん、集まりましたかー。それでは、5月29日の会見を始めるニャ。佐藤市長、説明をお願いします。
今回の5月29日の会見では、市ホームページの記者会見に、YouTube映像を、初めてそのまま貼り付けたニャ。これまでは、写真だけを掲載して、リンクさせた形だったニャ。下の画像のような感じ。
えーと、どうして、広報課が、今回の会見で、YouTube映像を市ホームページに貼り付けたかというと、5月29日の会見は、佐藤市長の自信満々のPR事業の会見だからだニャ。5月7日の会見は3分13秒だったけど、今回は、いつもより長い11分41秒の市長説明だニャ。8分30秒も説明する時間を伸ばしたニャ。褒めてほしいニャ。
すみません。ウオッチドッグ記者です。質問いいですか？ どうして、記者からの質疑応答部分はYouTube映像でカットするのですか？ 市長の説明部分だけを抜き出し、「記者会見」としてYouTubeで映像配信している自治体は、珍しいですが…。
大津市政は、他の自治体と同じことはしないニャ。大津市民や、他の自治体がびっくりするような話題を提供するのが、大津市政だニャ。長らく続いた伝統だニャ。YouTube映像では、佐藤市長の説明だけを聞いてもらえばいいニャ。ウオッチドッグ記者は、いつもうるさいことばかり聞くニャ。本当にうるさいと会見場から締め出すからニャ。質疑応答を始めるニャ。配布資料は、3枚だニャ。
↓配布資料を市ホームページからリンクしています。
ウオッチドッグです。ちょっと待ってください。全事業が全部書いている6月補正予算案の資料は配布されないのですか？ この会見場で、1枚ものの「6月補正予算案のポイント」の資料をもらっても…。全事業が書いている補正予算案の資料を読まないと、表面だけをなぞった質問しかできないですよ。読みこむ時間が必要ですって。全ての予算関連の資料を、会見の前日までにください。まぁ、どうせ、こんなことだろうと思い、ウオッチドッグ記者は、この会見に合わせて6月補正予算案の資料を入手し、読みこんできました。
指名してから質問してほしいニャ。全事業が書いている6月補正予算案の資料は、市長会見が全て終わってから、財政課がこの場に来て配布して、説明するニャ。議案については、総務課が説明するニャ。それまで、待ってほしいニャ。市長のPR事業を盛り込んだ配布資料以外の質問は控えてほしいニャ。はい。産経新聞さん。
ウオッチドッグです。質問があります。全事業が書いている6月補正予算案の資料では、児童1人あたり1万円の臨時特別給付金は、全て国庫支出金の事業だと思いますが…。今、市長がお答えされた対象児童が18歳到達の年度末までの大津市の独自支援策というのは、これまで続けてきた児童扶養手当のことでしょうか？
ウオッチドッグ記者の質問には、後で財政課が答えるニャ。産経さん、続けてどうぞ。
ウオッチドッグです。質問します。6月補正予算の編成にあたり、今やらなければならないことを十分に考えられたということですが、焼却炉が稼働していないのに、迷惑料として、大石学区の自治会へ、自治会館建替え費用3,000万円を6月補正予算で出すことは、今、やらなければならないことなんでしょうか？ 大津市の巨額な迷惑料については、市民やオンブズマンから長い間、批判を受け、裁判も起こされてきましたよね。一部自治会や自治連に対しての優遇施策を新型コロナウイルスの不況下でも、まだ、続けるつもりですか？
だから、配布資料以外の質問はしないでほしいニャ。今回の会見は、市長のPR会見だニャ。はい、朝日新聞さん。
ウオッチドッグです。少し驚いたのですが。保育園児が亡くなる事故の後、安全対策の予算措置がされていたのに、なぜ、昨年度中に執行されていないのですか？ すぐ執行すべきことだったと思いますが…。子どもの安全に関係することじゃないですか。遅すぎるでしょう。なぜ、遅れたのかを説明していただけますか？
また、ウオッチドッグ記者ですか。後で、担当課から説明させてもらうニャ。
ウオッチドッグです。「いじめAI」の取り組みが全国的に注目浴びていたというのは、初耳ですが、いじめ対策について、佐藤市長のお考えが見えませんので、もう少し詳しく教えていただけませんか？ 不登校の問題にも、どのような対策を考えてらっしゃいますか？
それも担当課から、後で説明するニャ。配布資料以外の質問は控えてほしいニャ。京都新聞さん、どうぞ。
ウオッチドッグです。新型コロナ感染症の対策費は、6億6,000万円ほどということですが、一般会計の補正予算40億円のうち、約33億円は、市長の政策の「肉付け予算」ということになると思います。これだけ、巨額の「肉付け予算」を執行することによる、市財政に及ぼす影響をどのようにお考えでしょうか？ また、コロナ対策の支援が、小出し過ぎで、スピード感に欠けるという声も出ていますが。時期を逸してしまうと支援の効果がでないのではないかと思いますが、市長が段階的な支援策にこだわる理由を教えていただけますか？
補正予算案は、本庁舎を閉鎖していた自宅待機期間中に、市長から財政課職員が呼ばれて、保健所で協議したり、これまで、市長と財政課が協議を積み重ねてきたニャ。後で、財政課から説明するから、そこで聞いてほしいニャ。はい、読売新聞さん。
ウオッチドッグも質問いいですか？ 具体的な構想を教えていただけますか？ いつ、どれぐらいの人数を採用する就業支援を考えているのでしょうか？ 具体的な構想は、いつ、発表されるのでしょうか？
これから人事課が考えるから、待ってほしいニャ。
ウオッチドッグです。予算案では、国費は10億円、県費は２億円ほどだと思いますが。残り28億円のうち、市債が7億円、そして、21億円の基金を取り崩して充てるとしてます。コロナ対策のため、災害の理由から取り崩すというのであるなら、一定、理解できますが、コロナ対策費は、6億6,000万円ではないですか。この時期、市長の肉付け予算のために、財政調整基金を取り崩すようなことを、市民が望んでいるとは思えませんが。市長選のときと状況が変化しているのに、それでも、これだけ巨額の肉付け予算にされたのは、どのような将来構想をお考えなのでしょうか？
市長は、「夢があふれるまち大津」にしたいニャ。夢見る男だニャ。夢実現のためには、基金取り崩しても、突き進むニャ。
ウオッチドッグです。抗原検査については、白紙状態ということでしょうか？ 大阪府では、5月20日に抗原検査の想定フロー図を出していますが。市と大津市保健所が、外来検査センターを委託する医師会を交えて、抗原検査の実施について協議する予定はないのでしょうか？
「今、お答えできません」と市長が答えたでしょ。答えられない質問はしないでほしいニャ。忖度、忖度。
ウオッチドッグです。これまで、大津市には災害時避難行動要支援者の名簿システムはあったはずだと思いますが。今回のコロナ禍で、名簿システムはどのように活用されたのでしょうか？ 大津市政では、システムや計画だけ作っても、活用されていないケースが多々みられますが、一元的に管理できるシステムを再構築した後、どのように活用していくのか、具体的なフロー図を示していただけないでしょうか？ 併せて、これからの避難場所の運営や、仕組み、支所との連携の構想についても教えていただけますか？
委託予定の業者が考えるから、待ってほしいニャ。
ウオッチドッグです。予算案では、消防費として、耐震性貯水槽の調査及び設計委託費として、「大萱5丁目」と書いてました。設計を委託する業者が大萱5丁目にあるということでよろしいのでしょうか？ 同じ項目に、防火水槽撤去工事測量設計委託費として、「大江6丁目」と書いてます。こちらも委託業者が大江6丁目の業者ということでよろしいのでしょうか？ 防火水槽撤去工事では、「平野2丁目」とも書いてます。こちらも、委託業者の所在地でしょうか？ 耐震性貯水槽の設置を要望している地域は、どちらなのか教えていただきたいのですか？
消防局から説明させてもらうニャ。細かいことは聞かないでほしいニャ。
ウオッチドッグです。急ぎの重要な問題だと思いますが、中期目標の策定を待っていたら時間がかかるのではないでしょうか？ 中期目標は、いつ、策定されるのでしょうか？
今年度って説明したニャ。今年度なんだから、来年3月までには、策定するニャ。
ウオッチドッグです。市長選公約に掲げていらっしゃったのですから、詳細なイメージをお持ちだと思ってましたが…。全ての地域で一律、同じ金額を出すのか？ 生徒数に応じた予算なのか？ 受け取る側の教育現場の事務作業は、どのような形にするつもりだったのか？ 単年度の使い切りなのか？ 市長選のときに、「夢づくり予算」をどのようにするのか、考えてらっしゃらなかったのですか？
佐藤市長は、大津市議会の湖誠会と新和会から、昨年8月に市長選出馬を要請されて、公約を詰める余裕がなかったニャ。公約は「夢」がキーワードで、具体性はなかったニャ。これから、議論進めて、整理するニャ。２つの会派は、市長の施策には、何でも賛成の会派なんだから、焦らないニャ。
ウオッチドッグです。大津市民病院ですが、昨年6月、救急医の一斉退職が報道されました。
↓2019年6月8日付・朝日新聞
2019年4月1日から、2020年3月31日まで、大津市民病院の理事長は、元大津市職員で、環境部長や和邇支所長を務めた増田伊知郎氏でしたよね？ 環境部に所属していた増田氏が関わった施策について、ウオッチドッグでは、前身の大津WEB新報で、過去資料を元に、けっこう追及してきましたけど。環境部は、琵琶湖市民清掃や迷惑料施策でもわかるように、放漫支出を止めませんでした。
↓参照：大津WEB新報の報道（一部）
現総務部長もコンパニオン接待／大津市が24万円負担／伊香立自治連と計40人／地区環境整備事業№60
市環境部の要職に就任／宴会参加の職員ら／地区環境整備事業№76
元環境部長を、経営再建が必要な独立行政法人、市立大津市民病院の理事長に任命したのは、当時の任命権者だった越直美前市長の失策だったのではないかと思いますが。コロナの感染拡大が広がってきた最中の3月31日に、なぜ、増田氏が理事長をお辞めになったのかの理由を教えていただけますか？ 4月から理事長が不在のまま、大津市民病院が運営されているということですか？ 現場の医師や看護師、スタッフの人たちは、相当、大変だったのではないでしょうか？
大津市民病院の理事長の任命権者は、大津市長ですが、この大事な時期に、空席のままの大津市民病院の理事長を、どうされるつもりですか？ 経験豊富な人物を公募して採用するということは、考えていないのですか？
大津市民病院の理事長の任命権者は、大津市長ですが、この大事な時期に、空席のままの大津市民病院の理事長を、どうされるつもりですか？ 経験豊富な人物を公募して採用するということは、考えていないのですか？
ストップ、ストップ。今回の会見は、緊急対策パッケージについてだニャ。感染症の病床についての質問に絞ってほしいニャ。はい、次、朝日新聞さん。
病院の実情を分析するということでしたら、その結果を、市民に公表していただけますか？ 公表するのなら、一部だけでなく、全貌がわかる形で公表してください。国、県への要望内容とその結果もお伝えいただけますか？
はい、時間です。市長は、退出します。机の配置を変えた後、財政課と総務課が来ますので、お待ちください。
先ほど始まったばかりじゃないですか。1時間も経ってませんよ。もう終わりですか？ この後、財政課や総務課から肝心の資料を配布され、説明されても、市長会見が終わってしまったのではあれば、気づいたことを市長に問いただすこともできないではないですか？ 順番が逆でしょう。
大津市の市長会見は、こういうやり方をしているので、従ってほしいニャ。ウオッチドッグ記者は、うるさいことを質問すぎるニャ。市長の説明を聞いて、それに応じた質疑応答して、細かい数字は、財政課から後で聞いて補足すれば、とりあえずの記事は書けるニャ。広報課としては、市政記者クラブが書きやすいように至れり尽くせりお膳立てをやっているニャ。広報課に感謝してほしいニャ。
こんな都合のよい部分だけを抜き出した資料しか配布しないお膳立て会見なんかで、感謝しませんよー。資料も説明も全部、出し切ってください。
ウオッチドッグ記者は、退室して下さーい。