2021年の琵琶湖市民清掃のごみ収集運搬事業をめぐり、大津市が4業者に随意契約で支払った約1,300万円の返還の勧告を求めた住民監査請求が棄却された。請求人らに届いた「監査結果の通知書」によると、請求側の主張の肝心な箇所については判断を回避したまま、市側にとって都合のよい結果をまとめていたことがわかった。本来、中立的な立場にあるはずの監査委員が、不公正な監査を行い、結論をまとめていた。

監査委員は、請求人が証拠資料を添付して主張した部分には、回答していなかった。つまり、請求人の主張が事実なのか、そして合理的なのか、監査委員は判断せず、監査結果を作成していた。

請求人の1人で、長年、滋賀県市民オンブズマンとして活躍している池田進さんは、「滋賀県の監査結果では、両方の主張を取り上げ、それについて監査委員が調査して調べたことを元に判断している。大津市のような監査結果を見たことがない。まともに答えていない。不誠実であまりにもひどい監査だ」と呆れている。

監査委員が判断を回避した請求人の主張はどの部分なのか。市側にとっては「痛い部分」「触れられたくない部分」だった可能性がある。もし、監査委員が“無視”しなかったら、監査の結果は変わっていたかもしれない。

ウオッチドッグでは、その監査結果をじっくり精査してみた。題して「逃げた監査委員」。シリーズでお届けします。