大津市議会では、越直美市長が進めてきた行政改革のための新しいテクノロジーの活用を、最大会派の湖誠会などが、後押しをしていたが、関西の主要都市では当たり前となっている委員会の中継や映像配信が、大津市議会では行われていないことが、他都市との比較でわかった。

関西の主要都市(大阪市、京都市、神戸市、奈良市、和歌山市)は、それぞれの議会ホームページで、本会議だけでなく、各委員会の中継映像を配信している。しかし、大津市議会では、本会議しか中継映像を配信しておらず、各委員会で、市議らがどのような発言、協議をしているのかが、映像として全く収録も、配信もされない。

例えば、11月13日の特別会議の前に、公共施設対策特別委員会で、コミュニュセンター条例案について協議されたが、委員として出席した市議らの発言や、やりとりがわからないまま、その後の特別会議での採決の中継に移った。あれから15日が過ぎた11月28日時点でも、委員会の会議録は、市議会ホームページに掲載されていない。つまり、市民にはこの特別委員会で何が議論されたのか、議会内で傍聴しない限り分からない。

他都市と比較しても、大津市議会のデジタル分野での「見える化」が遅れている。しかし、基本的なデジタル分野での遅れがあるにも関わらず、2019年2月25日の通常会議で、湖誠会の幹事長だった北村正二元市議は、「平成31年度(2019年度)予算では、AIやRPAなど新しいテクノロジーを活用し、業務の効率化とコスト縮減に努め、行政改革を推進するという多くの事業が新たに盛り込まれている」と越市長の議案を讃え、自らも「AI」「ビッグデータ」「IoT」「デジタル革命」など、デジタル関連のキーワードを連発していた。

また、公明党が、11月に世帯配布したチラシ「公明おおつ」で、「ICTの活用による市民サービスの向上や行政業務の効率化に向けた取組を推進するため、ICT導入に関する委員会の提案を行い、今年度ICT導入調査特別委員会が設置されました」と、デジタル分野での党としての役割をアピールしていた。

大津市議会の「見える化」に向けたデジタル革命はいつになるのか、今後の推移を注視していく。

↓大津市議会の委員会は、文字のみの会議録のみ。中継・録画なし。11月13日に開催された委員会の会議録は、11月28日時点でも掲載されていない。

↓大津市議会(中継と録画は、本会議のみ)

↓大阪市会(本会議と委員会の中継、録画あり)

↓京都市会 (本会議と委員会の中継、録画あり)

↓神戸市会 (本会議と委員会の中継、録画あり)

↓奈良市議会 (本会議と委員会の中継、録画あり)

↓和歌山市議会 (本会議と委員会の中継、録画あり)