ウォッチドッグ記者は2月14日(金)と21日(金)に、大津市議会の議会運営委員会を傍聴しました。初めてとなる14日、大津市役所の本館4階で開かれている議会運営委員会が始まったのが10時で、5分後に入室しました。その時の「議会村潜入記③」をルポ形式でお届けします。

ドアを開けると、もうすでに、議会運営委員会の委員メンバーや、市の関係課の職員、傍聴席の市議らは着席していました。後ろからそっと入ると、空いている席が4席ほどあり、そこに座りました。

議会事務局から、「市議会のしおり」と一緒に、予算案などの配布資料を受け取りました。席に座ると、傍聴席の斜め前に座っていた青山三四郎市議が後ろを振り向いたので、目がバッチリ合いました。青山市議といえば以前、電話で一度取材したかもしれないと思いましたが、すぐには思い出せませんでした。

ウオッチドッグ記者が座った隣は空席、そのまた隣をチラッと見たら、どこかで見た顔。「あ~、嘉田修平市議か」と気づきました。嘉田市議については、常々、疑問に思っていたことがありました。「どうして選挙時に、嘉田由紀子ママとのツーショット写真をSNSで発信してから、その後は、何の発信もしないだろう?」。また、議会で居眠りをしているという噂も耳にしたことがあったので、横目でその動向を注目していました。嘉田市議はこの時、タブレットのひび割れた画面を見ながら、配布資料へ熱心に何やら書きこんでいて、居眠りはしていませんでした。「これだけ、熱心に何か書いているんだったら、SNSやホームページで、議員活動の報告や考えを市民に向けて発信できるんじゃないの? なぜ、しないんだろう?」と内心、疑問に思いました。

市議会事務局から受け取った配布資料は、議事を示す協議事項に、添付資料がどれにあたるかなどの資料番号が書いていなかったので、途中から入ったウオッチドッグ記者には、わかりにくいものでした。

そこで、隣の隣に座っていた嘉田市議に、「どこ、どこ?」と囁きながら聞いたら、無言のまま、市職員が説明している資料を指し示してくれました。

「これか」と自分が受け取った資料の中から同じ資料を探しだし、市職員らの説明を聞きました。

委員長は市議会ドン、湖誠会の竹内照夫市議

よくよく見ると、目の前の委員席の中心に、座っていたのは、ウオッチドッグの報道でもお馴染み、大津市議会のドン、竹内照夫市議(7期目)でした。
やはり、委員長!

竹内市議が委員長ということは、議会運営委員会の委員は、会派数に応じた構成になっているので、最大会派から選ばれた市議が、委員長や副委員長を独占できるという内情を理解しました。多数派が議会運営に影響力を行使できる仕組みになっているということは、想像できました。

湖誠会の前幹事長の竹内市議が委員長で、親和会の副幹事長でもある伴孝昭市議が副委員長。湖誠会と親和会の現幹事長2人がそれぞれ委員として、構成メンバーに入っていました。

最終日は、市議と市長らで懇親会(プリンスホテル)へ直行か

総務課や財政課の職員から、予算案の説明を聞いた後、議会運営委員会の協議が始まり、議会事務局から、今後の日程やらの説明がありました。「本会議最終日の3月27日(金)18時から、執行部(市側)と議会の懇親会が、プリンスホテルで行われます」という話も出ました。とりあえず、本会議が終わったら、市と議会、双方一緒の飲み会をホテルで敢行するというのが、議会村に代々伝わる恒例行事となっているようでした。

↓2月14日議会運営委員会の配布資料/協議事項の「その他」から

↓大津市議会基本条例(議会と市長等との関係)

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ウオッチドッグ記者(心の声)
議会と執行部(市長側)、どこが、緊張ある関係構築さ。本会議最終日に、採決してすぐ、ホテルへ直行して飲み会かー。この時期に、こんなことをやっている場合かなあ。

ごひいきホテルで癒着温床の飲食三昧!これぞ大津市政

大津市と市議会のご贔屓(ごひいき)ホテルは、プリンスホテル。大津市と大津市自治連合会のご贔屓ホテルは、琵琶湖ホテル。北部の自治連合会と市幹部、市議のご贔屓ホテルは、琵琶湖グランドホテル。南部の自治連合会と市幹部、市議のご贔屓ホテルは、ロイヤルオークホテル。大津市幹部と市議、自治連合会らは、大津市内の高級ホテルでありとあらゆる手を使って飲食を堪能しまくってきた歴史があります。ある時は予算、ある時は補助金、ある時は自治会費、ある時は政治資金でしょうか。

そもそも、市執行部と市議会は、大津市の予算決算に関与する立場で、双方に慣れ合いが生じると、政治倫理条例の政治倫理基準・第3条に書いているような、癒着と不正が生じる恐れがあります。双方、公金に関与する立場なら、緊張感が必要でしょうに、「本会議」というイベントが終わると同時に、巷の民間企業と同じように、恒例の飲み会とは。

大津市は、補助金交付の利害関係者でもある自治連合会との飲み会・温泉旅行を延々と続けてきました。大津市は、予算承認機関の市議会と、本会議終了後の飲み会を続けていました。

↓大津市政治倫理条例(政治倫理基準)

どういう風の吹き回し?市政課題の広聴会(案)

14日の議会運営委員会では、今後、「市政課題広聴会」を設置するという案についての説明もありました。

「市政課題広聴会の設置案」というものを市議会が進めようとしているという話を14日に聞いて、「おいおい、議会村が、市民の声を聞きましょうという会を設置するするなんて、どういう風の吹き回しだ?」と不思議に思いました。近藤眞弘議長(湖誠会)の提案ということでした。

この「市政課題広聴会の設置案」ですが、21日の議会運営委員会を再び傍聴して、各会派から出た意見を聞いて、「あ~、そういうことか」とこの案を今、市議会が進めようとしている背景がわかりました。詳細は、次の「議会村潜入記」でお伝えします。

委員会の様子の撮影許可が出なかったため、議会運営委員会終了後に撮影。

本当に全国から注目?市民の傍聴は1人だけ

議会運営委員会の協議状況はというと、前方の中央に委員長席があり、両脇を囲むように、各会派から選出された委員が席に座っていました(1人会派以外)。委員席の右後方に、議長と副議長が別に座り、その他の傍聴席には、ほぼ全市議が、傍聴人として座ってました。14日も21日も、市民の傍聴は、ウオッチドッグ記者1人でした。14日の記者クラブ加盟社の記者の傍聴はゼロ。2社だけは、始まる直前に、資料を受け取りに来たとのこと。21日の議会運営委員会には、京都新聞の記者だけは、傍聴に来ていました。京都新聞の記者は、受け取った資料から、補正予算の数字を書いているのか、市職員が説明している間、パソコンに向かいカチャカチャと縦書き原稿を書き、終わったのか、途中で退席していました。

「何だろう。大津市議会は全国から注目されていると喧伝している割には(※前議長申し送り事項より)、記者どころか、市民からすらも注目されてないんじゃないの? 議会村の議員以外の傍聴人は、もしかして、ウオッチドッグ記者オンリーワン?」。疑問に思い、14日の委員会終了後に、議会事務局に「市民の傍聴人は、他ゼロ? オンリーワン?」と自分を指して、聞いてみるとあっさり、「そうです」と答えました。「議会運営委員会ですから」とのこと。「常任委員会のほうが、内容としては面白いです。常任委員会の方にはたまに、市民の方が来られる時もあります。特に市民センター問題のときは、何人か来られてました」と説明してくれました。

↓前議長の中野治郎氏から市議会への申し送り事項(一部)

予算決算の勉強会後に本会議へ

14日の議会運営委員会の後、19日(水)の午前10時から午後2時ごろまで、予算決算常任委員会(一般会計)が、また20日(木)には、予算決算常任委員会(特別会計、企業会計)が開催されました。予算決算常任委員会は、全市議が参加し、予算案の個別事項について、各課の職員から説明を受けるとのこと。予算決算についての勉強会のようなものらしい。

こうして、全市議らが予算決算についての説明を市側から受け、2月21日(金)午前10時に、本会議での提案説明に進みました。同日午後1時から、2回目の議会運営委員会があり、2月補正説明の後、「市政課題公聴会の設置案」が協議されました。

つづきは、次回で。