ウオッチドッグ記者は、鹿児島県警によるニュースサイト「ハンター」への強制捜査についての報道が明るみになった6月頃から各社の報道をウオッチしていた。数ある報道の中で、鹿児島県の地元紙である南日本新聞の報道内容を特に疑問に思った。そこで、過去に、毎日新聞社、共同通信社で記者をしていた「ウオッチドッグデスク」に地元紙の報道のあり方について疑問を投げかけた。
↓2024年6月28日付・南日本新聞
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南日本新聞のこの報道を疑問に思いました。6月27日の鹿児島県医師会の会見で、南日本新聞の記者がいい質問をして「晒しすぎとは思っていません」という医師会幹部の衝撃的な言葉を引き出しました。ウオッチドッグ記者は、この異様な会見の状況をYouTubeで視聴しましたので、ウオッチドッグでも取り上げました。集英社オンラインも同じようなニュアンスの報道をしてました。しかし、当の質問した南日本新聞の報道は何ですか。これでは、会見の状況が伝わりません。なぜ、医師会側だけの主張を前面にした見出しをつけたのでしょうか。地元紙のあり方に疑問を持ちました。

今回の記者会見で、南日本新聞の現場の記者はそれなりの問題意識を持ってよい取材をしていると思われますね。しかし、出てくる紙面を見ていると、現場の記者が追及しているような方向の記事になっていなかったということですね。

そうです。「ハンター」が4月8日に鹿児島県警から強制捜査されていますよね。何があったのか、「ハンター」への取材をやっていたのかやっていなかったのか。背景やらを深堀りしてから報道機関は発信すべきだったと思います。強制捜査直後の南日本新聞の報道は、県警発表の垂れ流しでした。本部長の隠蔽疑惑の背景が出始めた6月11日頃から、南日本新聞の報道の流れが変わったように見えます。見出しだけみると揺れ動いているような…。報道機関としての軸が感じられません。

南日本新聞のホームページを見ていたら、社長が「悲しむ人をなくしたい」と言っています。じゃあ本当にこの通りにやってたのかと。被害を受けたという女性がいたのに、寄り添わず、医師会に寄り添っていたのではなかったのか。
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「社員全員がジャーナリスト」「ジャーナリスト集団」とも言ってます。

突っ込ませていただきますけど、鹿児島県警やら鹿児島県医師会の腐敗や不祥事など異様な状況を見てますと、地元紙の南日本新聞がジャーナリストとして、腐敗を追及しなければいけなかったんじゃないですか。「ハンター」は福岡市に拠点を置くメディアですよ。地元組織が腐敗しているのは、地元メディアの取材が機能していなかったからでは。

よく言われていることですが、地元紙の方が地元のことを批判しないんですよ。地域のメディアというのは、もともと地域のことを批判しにくい存在です。「地域を盛り上げる」という方向のニュースは出しやすい。でも、狭いエリアで批判の声は上げにくい。南日本新聞だけが特別なわけじゃない。ありがちです。地元メディアの方が、地元の政財界と癒着しやすい。

癒着って…。

現状としては、各地で癒着だらけです。

それはなぜですか。

闘い続ける地方新聞はほんのわずか。南日本新聞の社長メッセージのように、「地域の人のために」と言いながら、県庁、県警、県医師会の広報になっています。

県のホームページに載っているようなことを、わざわざ報道してどうするのですか。

批判しようと思うと、圧力がかかったり、はじかれたりします。戦い続けるというのは大変な仕事だと思います。

今回の会見で質問した南日本新聞の記者は、ジャーナリストとして、ありのままの状況を書かかなかったのか、それとも、原稿を書いたのに、組織内でボツにされたのかわかりません。しかし、会見時の質問と実際の記事にはギャップがありすぎました。