ごみ処理施設のある伊香立学区自治連合会などに大津市が支出した補助金1.5億円が「違法な迷惑料支出にあたる」として、市民6人が越直美市長に対して公金の返還を求めた行政訴訟の第17回口頭弁論が9月11日、大津地裁であった。

伊香立学区自治連合会長の木村重次氏が、証人尋問を受けるため、裁判所に出廷した。証人尋問で、嘘の発言があれば偽証罪に問われるという説明を裁判長から受けた後、宣誓をして証人尋問が始まった。

主尋問で、原告側代理人の折田泰宏弁護士から、伊香立学区自治連合会が、大津市より地区環境整備事業補助金を受け取り、香りの里史料館の横に新たな駐車場を整備した理由を問われると、木村会長は、「正面の駐車場も北側の駐車場も、環境交流館に来る児童クラブの利用者が増えて、県道周辺に路上駐車が増加して危険でした。道路はバスも通るので、安全性のため新たな駐車場が必要でした」と説明した。折田弁護士から「旧来の駐車場が満杯と主張する統計のようなものはありますか?」を問われると「数字としての統計はとっていません」と木村会長は答えた。

反対尋問では、被告側の大津市代理人の吉野誉文弁護士が、北部クリーンセンターを迷惑施設と言い、地元の風評被害に関して、証人の木村会長へ質問をすると、裁判長から「主尋問に対する反対尋問になっていませんね。どう関係しているのですか?」と、たしなめられる一幕もあった。

さらに、被告側の反対尋問では「香りの里史料館には、団体客が大勢来て、その度に駐車場がいっぱいになるんですよね?」と質問があり、木村会長は「香りの里史料館は、農具や昔の家を再現しています。正面には、花畑もあります。これらを見に来る人や、北部クリーンセンターを見学に来た大津市の小学校なども立ち寄るから、団体の来館者が多いです」と話した。

その後、再び、主尋問に立った折田泰宏弁護士が、2015年9月18日から29日までの香りの里史料館の来館者数の記録を写真撮影した証拠資料を証人に示し、「団体がたくさん来ていると主張されていますが、この期間、訪問した団体は1つだけ。来館者が数人やゼロの時もあります。香りの里史料館に団体客が多く来館するので、駐車場を作ったのですか? たくさん来ていると認識していますか?」と質問した。

この質問に、木村会長は「そう思っていません。駐車場を作ったのは、香りの里史料館のためではありません。文化祭や、自治連合会のイベントに、車で来る人が多いので、駐車場が必要でした」と答えた。

さらに、原告側の折田泰宏弁護士が「自治連合会のイベントは何回ありますか?」と質問すると、木村会長は「2か月に1回です」と答えた

主尋問と反対尋問の証人尋問は、9時半に始まり、12時で終了した。

次回は10月9日(火)午後4時から。

↓参考資料:2014年度 地区環境整備事業補助金(北部)の実績

※アイキャッチ画像の写真は、伊香立学区自治連合会が、市補助金で香りの里史料館の横に約600万円で設置工事した駐車場。

↓参考:香りの里史料館の旧来の駐車場(2016年10月30日撮影)