4月12日付の京都新聞によると、大津市役所に勤務している職員が、新型コロナウイルスに感染したという。会見した佐藤健司市長は「市民や市内事業者に感染拡大防止に取り組んでいただいてる中、職員が感染したのは残念。さらなる感染防止対策に取り組みたい」と述べたと報道している。

職員だろうが市民だろうが、誰でも感染する可能性がある。感染した人を責めるようなニュアンスの「残念」発言には違和感しかない。問題は、感染者が出た場合の自治体としての今後の対策だが、「市長がどのような対策を考えているのか」が全くみえない。会見の模様は、市ホームページに出ていない。

大津市ホームページを見ると、職員感染の関連の情報は、人事課からのお知らせで、「執務室の消毒については、すでに完了したので、4月13日より業務は通常通り行います」とだけしか伝えていない。人事課のホームページでは、「滋賀県の情報」、「国の情報」をリンクしているのみだった。

新型コロナウイルス感染症対策本部の事務局、大津市危機・防災対策課や、市政情報を扱う広報課から、詳細な説明はない。

滋賀県ホームページの「新型コロナウイルスに感染した患者の発生について」は、37例目の患者として、いくつかの情報を掲載している。

3月23日(月)からの2週間は平日10日間、出勤。4月4日(土)から38.5℃の発熱があり、医療機関で受診。その後は自宅におり、出勤していない。週明けの6日(月)に帰国者・接触者相談センターに相談し、医療機関で受診。10日(金)に医療機関で受診して、帰国者・接触者相談センターに連絡。帰国者・接触者外来受診で、CT画像上、すりガラス影あり。11日(土)のPCR検査で陽性が確定したという流れのようだ。

途中の症状は分からないが、発熱で医療機関を受診してからPCR検査まで丸1週間を要している。

リスク分散型の支所機能活用を

大津市には、36学区の市民センターがある。ウオッチドッグが、市民センター統廃合問題で、「支所機能を充実したほうがよい」と何度も問題提起してきた。越直美前市長が進めていた支所の人員削減や、時間短縮は、危機が起きた時に対応できなくなると警鐘鳴らしてきた。代替機能を生かせるリスク分散型の支所が、大津市の利点にもなる。

社会状況を踏まえ、支所機能を充実させ、できるだけ、36支所でいろんな手続きができるようにするべきだろう。

先週、大津市のある課から、情報公開請求の開示通知書が届いた。ウオッチドッグ記者は、「近くの支所で閲覧、手続きができるようにしてほしい」と市政情報課に依頼した。条例では、必ずしも、本庁での手続きを規定しておらず、運用の問題だけなので、支所での手続きは、やろうと思えばできるという。「検討します」ということだが、検討するなら実行してほしい。

やろうと思えば、すぐできることがたくさんあるだろうに。

↓2020年4月11日付・京都新聞
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/216770

↓2020年4月12日11時時点/大津市ホームページ/人事課/県と国のサイトをリンクのみ

↓2020年4月12日11時時点/大津市ホームページ/危機・防災対策課/お知らせなし

↓2020年4月12日11時時点/大津市ホームページ/広報課/市長会見の模様掲載なし

↓滋賀県ホームページから。
https://www.pref.shiga.lg.jp/kensei/koho/e-shinbun/oshirase/311342.html