大津市の広報課が、本庁舎閉鎖を決定した4月21日の市長記者会見録を、5月に入って初めてホームページに掲載したのに、日付を「4月22日」と偽装した可能性が浮上している。5月5日時点では、「新型コロナウイルス感染症関連情報」の中に、新たな項目として追加され、「4月22日更新」という形で掲載されている。しかし、4月末までHP上で、市長記者会見録は見当たらなかった。広報課は実際、いつ記者会見録を作成し、HP上に載せたのか、市民に対し誠実に説明する必要がある。
佐藤健司市長は4月21日の記者会見で、市役所内のクラスター発生による本庁舎閉鎖について言及した。佐藤市長が新型コロナウイルス感染に関して、公の場で発言する機会は、滋賀県知事に比べ格段に少ない。そのため、4月21日の記者会見でどのような発言をしたのかは、市が発信する情報の中でも最重要のものと位置づけられる。くまなく市民に知らせるためにも、HP上ではトップに置かれるべきものだ。
ウオッチドッグはこれまで、市のホームページ(HP)をつぶさにウオッチしてきた。過去にチェックした画像を残しているが、4月中に、この日の記者会見録は確認されていない。
大型連休前に、HP上に本庁舎閉鎖に関する記者会見録を出さなかったことへの批判が高まったため、広報課は実際は5月に入って掲載しておきながら、掲載日を記者会見翌日の「4月22日更新」と偽装した可能性が高い。
大津市は、市長の記者会見の記録をHPに掲載するのに、通常1カ月以上かけている。他の地方自治体に比べても、スピード感のなさは飛び抜けている。ウオッチドッグはこれまで、市長記者会見録の掲載が遅いことを、再三指摘してきた。
↓2020年4月21日の記者会見録を、見つけた。翌4月22日に発信したことになっている。
https://www.city.otsu.lg.jp/kenko/2020/message/k/33133.html
↓4月22日 大津市ホームページ(1日だけの幻の画面)
本庁舎閉鎖を決めた後のトップ画面のどこにも、4月21日の市長記者会見録は、見当たらない。22日付の新着情報は5本あるが、記者会見録はない。
4月22日(水)時点では、大津市HPのトップ画面では、「新型コロナウイルス感染症関連情報」が表示された。従来使われていた、琵琶湖岸のお花畑風景や、夜景の写真を用いた画面は、クリックしないと見られない状態になっていた。
推察するに、市役所内部で「本庁舎閉鎖になる。大変だ―」と大騒ぎになり、市民からのアクセスが増えることを予測し、「対策してますよ」を強調するため、ホームページのトップ画像の表示を「新型コロナ関連」として目立つように、切り変えたのではないかと睨んでいる。
デカデカと「新型コロナウイルス感染症関連情報」が表示され、驚いた市民らから、市政情報が探しにくいと苦情でも入ったのか、すぐ引っ込めた。それとも、元々パフォーマンスのためだけに用意したのか。たった1日だけの幻のトップ画面となった。ウオッチドッグ記者は、市の発信方法がコロコロ変わるのを確認して、「極端すぎる」と驚いた。
↓4月24日(金) 大津市ホームページ
元の形に戻ったトップ画面。「緊急情報」にも「大事なお知らせ」にも、「緊急」かつ「大事」なはずの4月21日の市長記者会見録は見当たらない。
↓4月24日の大津市ホームページ「新型コロナウイルス感染症関連情報」
ここにも4月21日の市長記者会見録は、見当たらない。
↓5月5日午後に「新型コロナウイルス感染症関連情報」を覗くと、「市長メッセージ」の隣りに、新たに「記者会見」という項目が追加されたことがわかった。
↓5月5日時点でも、市長定例記者会見は相変わらず、「新着情報はございません」のまま。掲載されていない。ここに、4月21日の市長会見録を入れていない。
↓5月5日の大津市ホームページ「大津市長の部屋」
4月21日の市長記者会見録は、どこにも見当たらない。