大津市の越直美市長が、一部の学区自治連合会で集めていた市民センター統廃合の反対署名を受け取らない意向を示していたことが、2月の定例記者会見録でわかった。越市長は、署名を受け取らない理由として、大津市自治連合会長から「学区単位の署名は受け取らないようにという要請があったこと」と、「市が投げかけた提案を自治連合会が検討するため」と発言している。

2018年2月16日の定例記者会見の中で、毎日新聞記者から「住民の反対署名を受け取ったらどう対応するか」と問われた越市長が、「大津市自治連合会長から、学区単位での署名を受け取るということは避けて欲しいという話があった」と回答している。越市長は、大津市自治連合会長で、坂本学区自治連合会長の谷正男氏の要請を受けて、それに従っているという発言をしていたことになる。「弱者」などの文言を使い、殊更、それを強調して住民の署名を集めていた一部の学区自治連合会長らは、「弱者」の住民より、「強者」の市長や大津市自治連合会長の意向に従い、住民の反対署名を提出しなかったことになる。

越市長が、学区単位での署名を受け取らないもうひとつの理由として、「市が投げかけた提案を自治連合会が検討するため」と発言している。しかし、統廃合を検討することがどうして署名を受け取らない理由となるのか、詳しく説明していない。大津市や自治連合会は、3年前から何度も会って検討する機会を作っていた。大津市が市民に説明する時間も、自治連が検討する期間もたっぷりあったが、今に至るまで両者とも、住民に詳細を明らかにしていなかった。

↓2018年2月16日の大津市定例記者会見/毎日新聞記者の質問に答える越市長
http://www.city.otsu.lg.jp/shisei/mayor/teireikisyakaiken/h29nen/1520228320411.html#a4

市民センターについて(1)

毎日新聞
市民センターの統廃合についてですが、自治体の中では反対の署名活動を行っている方々もおられます。その方々を取材してみたときに、そうした署名を市長に直接お渡しして、住民の生の声をお届けしたいというご希望を持っておられましたが、そのようなご希望が実際に届けられたとき、市長としてはどのように対応されますか。
市長
これについては、今、私が知っている署名活動というのは、学区の自治連合会でされていたりすると思います。私も大津市全体の自治連合会の会長と直接会ってお話をしましたが、自治連合会としては、自治連合会の中で、今、市が投げかけた提案というのをしっかり受けとめて検討していただいています。そこで、何か一つの結論が出たというわけではないですが、自治連合会一体としてしっかり受けとめて検討していくということになっていますので、自治連合会の会長とお話ししたときにも、私が一つ一つの自治連合会の個別の学区の単位での署名を受け取るということは避けて欲しいということがありました。
それよりも、自治連合会として、大津市全体でどのように対応していくのかということをしっかり議論されていかれるということです。私自身は、そのため、自治連合会でしっかりと中で議論されたご意見をお聞きしていきたいと思っています。
また、私も職員も市民の皆さんに説明する機会について、直接お会いするにしろ、それが書面であるにしろ、ホームページであるにしろ、まだまだしていかないといけないと思っています。
これまで、私もこれは仕事でというよりも、色々な機会に市民の皆さんに直接会ってお話をするときがあって、まだまだ私たちの説明は不足しているとすごく実感しました。例えば、公民館として今使っている場所がなくなってしまう、サークル活動や、会議をする場所がなくなってしまうというように思っていらっしゃる方もすごく多いです。あとは、今の市民センターについては、活動の場所としてはなくならなくて、支所の再編、また場所を生かした上での地域での住民自治をさらに高めて住民の皆さんに運営していただくということなど、皆さんにこのように変わりますということが、まず正しく理解されるように、十分な説明をしていかないといけないなというのがあります。
そのため、本当に支所がなくなったときにどうなるのかということが、そこもまだまだ説明していかないといけないと思っています。例えば、コンビニで住民票が取れますよなど、郵便でも取れますよとか、また、例えば、巡回で相談できますよなど、そうようなところももっと説明をしていかないといけないと思っています。
また一方で、そのようなご懸念されているところが具体的に何なのかというところもしっかり受け止めた上で考えていかないといけないと思っています。
毎日新聞
市全体の自治連合会の会長から、一つ一つの学区の署名活動について受けとめは避けて欲しいというようなお話があったということですね
市長
はい。