琵琶湖に面する滋賀県大津市。人口は約34万人で、ここ数年増加している。京都や大阪の通勤圏だ。
他の地方自治体と同じように、大津市にも町内会(自治会)組織がある。法律や条例で定められている団体ではない。趣味やスポーツのサークル団体と同じような任意団体である。ところが、大津市の場合、他の地方自治体ではみられない独特の自治会の組織体制となっている。ピラミッド型の組織構造で、末端の自治会は、上部に位置づけされている自治連合会の指揮命令に組み込まれている。
大津市には、700以上の自治会があるが、その自治会の上部組織として、36の「学区自治連合会」がある。36の学区自治連合会のさらに上部に、36人の学区自治連合会長で構成する「大津市自治連合会」がある。大津市政は、この36人の学区自治連合会長のために、存在しているのではないかと思われるほど、特別な優遇措置が用意されている。
そこに大きな問題がある。団体が設立されて、今年で64年。住民福祉の増進のためという理由で、大津市から、大津市自治連合会へ、さまざまな補助金や報償金が支出されている。はたして、本当に大津市民のために活動している団体なのだろうか?
↓大津市自治会の「組織」とは?
http://otsu-shinpou.info/web/?page_id=1284
さらに、ウォッチドッグ記者が調査して驚いたのは、学区の自治連合会長として、10年以上続けている人物が少なくなかったことだ。任期がないので、いつまでも同じ人物が、地域に君臨する。36年間も自治連合会長をしていた建設会社の代表もいた。末端の自治会長もしないで、「自治連合会長」という独立した役職を作り、何年も同じメンバーで役職をぐるぐる回している。よほど、自治連合会長は、やめられない“旨味“があるのか。
↓大津WEB新報で、会長職の長期化の問題を取り上げた。
http://otsu-shinpou.info/web/?p=5477
さらに驚いたのが、使途不明の報償金や補助金の数々だった。情報公開請求を続けて、少しはマシになった事業もあるが、不適切な使途は、今も続いている。
ウォッチドッグでは、これらの補助金使途を、引き続き調査する。本当に改善されたのかどうかを検証するため、調査報道を続けるのが、ウォッチドッグ使命だ。
↓2015年9月作成の大津市自治連合会のカネの流れ