大津市が4年前から水面下で進めていた市民センター統廃合計画で、何を隠したかったのか。ウオッチドッグは、行政にとって「不都合な真実」を検証する。シリーズの3回目は、2014年12月3日の「市民センター機能のあり方庁内二役協議」の10ページから14ページまでの5枚。

越直美市長の発言を黒塗りにしたのは、14か所。副市長は9か所、市民部長は19か所、管理者は7か所。計49か所を塗りつぶしている。当時の管理者(公営企業管理者)は、民間出身者で、市長が任命。当時の副市長は、国土交通省からの出向組で、市長が任命。どちらも特別職。

(2014年12月3日・市民センターあり方庁内市長協議)
<P10〜P14までの黒塗り部分>

10ページ

越市長:ーーーそういう意味では大津市民病院の独立行政法人の案件と同じです。外部委員会に出すにはある程度内部できっちりと出すべきかと思いますし、議論が足りないところがあるのであれば、その内容も盛り込んだ上で外部委員会に出さなければいけないかと思います。
伊藤副市長:議論が足りないというより、おそらく検討方式のことに指摘を受けるのではないかと思うのです。例えば、幼稚園、保育園のあり方の話についても、じわじわと地元の代表の方が入った中で、議論が進んでいってこういう方向になっていくというのが浸透したのかと思いますが、いかがですか?
越市長:あれはそうでもないかと思います。あの議論はいきなり始めたというよりかは内部検討の結果を外部委員の意見を聞くという形でやっていると思います。
伊藤副市長:ーーーそのところで外部委員の意見を言う場をこれから設けますという形をある程度このようなスケジュールで出してしまうのは大丈夫かなという危惧しております。

ーーー
伊藤副市長:ーーーその個々の施設でどこがなくなっていくかというのが類推できないような形にするのがいいかと思います。
越市長:そうですね。それはしないですよね。7つというだけで。

ーーー
越市長:ーーー1つの幼稚園に対して園児22~25人と誰にも言わずに

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勝手に教育委員会が決めているかと思います。これと同時にだいたい処理量がこれぐらいないといけないとか、そういう方向性から決めるとかかと思います。
伊藤副市長:ーーーたちまちどこの市民センターを廃止するかという話につながるような話を今出すと話がまずいとなってしまう、という意味ですよね。
日比市民部長:ーーーそれで市長の思いがどうなのかなと思いまして、「この場所が基幹市民センターですよ」ということまで、この検討資料で打ち出す予定でしたでしょうか?
越市長:いえ、そこまでは言わなくて結構です。
日比市民部長:そういうことですよね、それは言わないですよね。
山本管理者:この歴史を見れば時間かけ過ぎだよね。
日比市民部長:そうです、おっしゃるとおりです。ずっと課題は課題できて・・・。
山本管理者:これを続けることによって財政がどんどん厳しくなっている。
日比市民部長:今回、相当ここで集大成してきたと思うんです。
越市長:今回はやっていただいたので。だから「7」というのを出していいと思うのですが。
日比市民部長:「7つ」という数字を出すのですか?
越市長:「7つ」という数字を出して、どこの市民センターをなくすかについては報告しないつもりです。
日比市民部長:しかしながらこの資料を見ていただきますと、本当に遠隔地での証明発行や届け出をなくしたら困りますよね。
越市長:でも、実際は使っていないですよね?
日比市民部長:いや、使っていないことはないです。

12ページ

越市長:でもやっぱり結局は職員を置くかどうかは届出数で見るわけですよね?
日比市民部長:でも他に代替手段がないということになればそれは考えないといけませんよね。
山本管理者:コンビニを利用したらよいのでは?
日比市民部長:コンビニがあっても、住基カードがないと証明書が取れません。高齢者の方が多いとコンビニ利用が少ないのが実態です。
越市長:高齢者が実際にそんなに証明書を取らないですよね?
日比市民部長:少ないけれども取っていますよね?資料16ページ記載の数字で届出受理件数13.8ですし、証明書発行件数も94という数字が出ています。

ーーー
伊藤副市長:なので、その議論をするならば、適正配置を考える時にどこをなくすかどこを残すかという方針を示していかないと難しいかと思います。
日比市民部長:違うんです。今7つとかいう数字を出すとなるとそういう選定の議論が出てきます。
伊藤副市長:それは基幹の話であってどこまでの・・・。
日比市民部長:それを出すのか出さないのかを聞いているんです、今年度の3月で。
伊藤副市長:だから基幹で「7」を出した時に、それがたちまち遠隔地であっても、なくしますという議論になっちゃう?
日比市民部長:そう受け取れますよね。

13ページ

ーーー
伊藤副市長:例えば、コンビニと一緒で機械を置くとか?
日比市民部長:置いておいても証明発行しかできないです。届出も受付もできないです。保険やら年金やらの手続きについても出来ないです。
越市長:でもそれは来てもらうしかないんじゃないですか?
山本管理者:そこで、受け付けて、婚姻届けみたいに夜中でも24時間受理しますと。
日比市民部長:どこですか?職員が?
山本管理者:わざわざ夜中に持ってこなくていいんじゃない、そんなもの。
越市長:最初のやつだと、結局、職員一人が残る形ですよね?

ーーー
日比市民部長:ーーー全ての機能を市民センターにそれだけ職員がたくさん要るとは思いませんけれども。そういう基幹市民センターとまでは言わないけれども、地域が孤立している等の状況からおそらく遠隔地には当面その機能を持たせておくとか、そういうことが段階的に必要じゃないかなと。
伊藤副市長:段階的にそうなんだけれども、個々の事情のところまで踏み込んでやる話かな・・。
日比市民部長:じゃないんですが、その「7」という話になってくると、受け取る側が、住民の皆さんが「自分のところは・・・」と、おらが村の話になりますので、それを心配しただけです。ですから、今お答えいただかなくてもいいんですが、どこまで議論するべきか。

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越市長:そうですね、私は「7」というところは入れるべきじゃないかと思います。
日比市民部長:「7」がいいですか・・・。

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山本管理者:そういうところは郵便局はないですか?
日比市民部長:遠隔地に郵便局はあります。
山本管理者:郵便局に委託したらいいのではないですか。
越市長:甲賀市とかは郵便局に委託していますよね。じゃあそれでお願いします。