■【解説】誰の責任か? 誰が撤去するのか?

かなり多くの民有地に有線放送の電柱が、今なお残されている。湖南有線放送が事業運営していた当時、団体から依頼もあり、自宅敷地内の設置を認めた住民が多かっただろう。国や県が許可している団体からの話だからと、すっかり信頼して、敷地内に設置を了承したかもしれない。それが、今では役所はどこも知らんぷり。その後、取り残された電柱の扱いに困った住民らは、市や県へ、問い合わせをしたようだが、「それぞれ各自で処分するように」という回答のみだった。

一民間人が電線のつながった電柱を撤去するというのは、容易ではない。撤去費用の相場や業者を知らない住民が多いのに、滋賀県などは「それぞれで撤去してください」と、無責任な指導をしている。

ウオッチドッグは、撤去費用の相場と、取扱いのできる業者を、大津市の道路・河川管理課と滋賀県の大津土木事務所に確認した。過去の実績として、単体での電柱を撤去したことがないので、撤去費用も取扱い業者もわからないという話だった。木柱か、コンクリ柱かでも費用は変わるし、さらに電線がついていたら、電気事業者の作業も必要かもしれないという説明だった。土木事業者に全体の見積を出してもらう必要があるという。

そもそも、所管する滋賀県が、解散団体に清算人を立てさせ、財産を清算させる指導を怠ったから、こんな状態が続いている。この団体が有線放送の事業を休止したのは2001年で、解散をはかった臨時総会があったのが2003年。この時期に、団体の財産から撤去費用を出させ、各地の電柱を一斉撤去させることもできたはずだ。当時の滋賀県知事は、國松善次氏。次の嘉田由紀子知事は、2011年10月に幽霊団体に解散命令を出した。解散命令を出しながら、なぜ団体に財産を清算させ、電柱の撤去をどうするかという話にならなかったのか。2011年は東日本大震災が起きた年。国民の防災意識が一番高まっていた時期でもある。そうした時期に、嘉田知事は、電線がつながったまま、電柱1,164本を放置した。

そして、三日月大造知事に代わった現在も、公道や民有地に管理者不在の電柱が多数残っている。滋賀県は、幽霊団体の清算手続きを速やかに完了させ、電柱の撤去に動く責任がある。そして、利用者から集めた財産を清算もせず、知らんぷりしている旧組合の役員らに責任を問う必要がある。

湖南有線放送が事業を休止した2001年から、18年が経過している。団体の財産は、いくら残っているのか、誰が持ち出したのかわからない。もし、団体の財産で電柱の撤去処分ができないのなら、県や市が、民有地の電柱の撤去費用を負担するのは当然のことだ。

そこで、敷地内に残されている住民や、地域内に電柱があったり、通勤、通学などで電柱の側を通る市民は、こういう時こそ、市民や県民の代表である議員に相談してみると、何らかの解決策が示されるかもしれない。

■地元議員リスト

知らないふりをしていたのか、気付かなかったのか、知るすべもないが、瀬田、田上地域出身の県議会議員と市議会議員を紹介する。

【滋賀県議会議員】

佐藤健司(自民党)一里山在住
※当選2回

https://www.shigaken-gikai.jp/g07_giinlistS.asp?SrchID=151

 

【大津市議会議員】
大津市議会名簿(五十音順)
http://www.city.otsu.lg.jp/gikai/giin/1429076820726.html

奥村功(市民ネット21)大萱在住
※当選4回

 

 


川口正徳(湖誠会)稲津在住
※当選1回

 

桐田真人(湖誠会)大江在住
※当選2回

 

 

草川肇(市民ネット21)神領在住
※当選3回

 

 

幸光正嗣(湖誠会)一里山在住
※当選1回

 

 

近藤眞弘(湖誠会)大萱在住
※当選2回

 

 

佐藤弘(公明党)大江在住
※当選3回

 

 

清水ひとみ(公明党)瀬田在住
※当選2回

 

 

林まり(共産党)瀬田在住
※当選1回

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