ウオッチドッグ記者が、2月14日に議会運営委員会を傍聴しました。その一部始終をお伝えします。名付けて、「議会村潜入記」。

大津市議会の前議長の中野治郎氏から、現市議会への申し送り事項が、大津市議会ホームページに掲載されています。

メッセージのタイトルは、「市民に開かれた議会、市民に信頼される議会の実現に向けて」となっていて、「(大津市議会は)議会改革のトップランナーとして、全国からも注目されており、マニュフェスト大賞優秀成果賞を受賞しております」など、心地よい言葉がずらりと並んでいました。

ウオッチドッグ記者は、6年にわたって大津市政をウオッチする過程で、市民代表のはずの大津市議会の一部議員らの行動が、「市民のほうに向いていない。何か、変だ」と思うに至りました。

2019年4月13日に、藤井哲也元市議のブログにこんな図が掲載されていました。そして、このブログで、藤井元市議は、大津市議会を「議会村」と呼んでいました。

いわゆる世間的には、対立していると思われていた越直美前市長と湖誠会の竹内照夫前幹事長の2人がべったりとなって、市民センター統廃合問題では、庁内協議や市議会を軽視して、爆走していました。

コンサル依存、湖誠会にべったり/庁内協議や市議会を軽視/越市長が“爆走”/市民センター統廃合問題/ウオッチ大津№134

越前市長と、ことさらべったりしていた湖誠会の市議のSNSを覗くと、今度は、佐藤健司氏が新しい市長になって、「万歳」の嵐で浮かれまくっていました。

ウオッチドッグ記者は、湖誠会や新和会の市議らの浮かれまくりの言葉に違和感を覚えました。

「大津市議会基本条例」の「市長等との関係」によると、「議会は、二元代表制の下、市長等と対等で緊張ある関係を構築し市長等の事務執行の監視及び評価を行うとともに、政策立案及び提言を通じて、市政の発展に取り組むものとする」とあります。

大津市長と、市議らは、それぞれ、市民からの直接選挙で選ばれています。国のような、多数与党のトップが首相になり、与党議員が内閣を形成するという議員内閣制ではないのです。それなのに、大津市議の一部議員らは、議員内閣制を模していると思いました。つまり、市長と市議会与党が一体化しているのが現状です。これでは「二元代表制」ではなく、実態は「一元代表制」です。

市長選が終わり、新市長に代わった最初の「広報おおつ」2月15日号には、市長と市議会の関係、権力構図をいみじくも表しているような表紙が掲載されていました。

「さすが広報課。いつもながら、力のある者にヨイショと気をつかう徹底ぶり」と、ウオッチドッグ記者は、「広報おおつ」を見て唸りました。

横断幕の正面を捉えて撮影したほうが自然なのに、わざわざ議員らが写る角度、それも、竹内照夫市議が、一番映えるカメラポジションに収まっています。佐藤健司市長は、全身が写っていないのに、竹内照夫市議は、等身大で写ってました。

佐藤健司市長のすぐ後ろの一番目立つ位置に、竹内照夫市議が拍手しながら立っています。一方、最大会派、湖誠会の幹事長である津田新三市議は、その右隣りに立っていましたが、身体の左半分しか写ってません(顔と体の右半分が切れています)。現幹事長より、前幹事長に対する広報課の気遣いを感じました。

市議らがわざわざ玄関口まで出て、新市長を迎える姿には違和感があります。行政のトップを迎えるのに、大勢の職員よりも、市議会の重鎮が新市長の近い位置で出迎えています。さらに、市議らが集団で出ているのなら、議長と副議長が先頭に立つのが自然でしょうが、近藤眞弘議長(湖誠会)と川口正徳副議長(湖誠会)は、2人並んで、奥のほうで小さく写ってました。「あらら、埋もれているわ!」

もう一方の最大会派、新和会の幹事長、八田けんじ市議になると、さらに奥に立ち、自らのSNSにでも出すのか、いちファンのように、新市長の姿を撮影しようとカメラで待ち構えてました。

「さすが、大津市議会。全国からも注目されているだけあって(※前議長の申し送り事項より)、それぞれが、それぞれの力と役割を果たすカメラポジションをよくよく理解して、実行している」

「広報おおつ」の見出し、「“夢があふれる大津” 市民のみなさまが主役の市政をすすめます」は、佐藤新市長の言葉から作ったようですが、ブラック・ジョークでしょうか。主役は一部の市議会議員なのでは?

このような謎だらけの「議会村」に興味を持ったウオッチドッグ記者は、どんな実態なのか、さらに覗いてみることにしました。

つづきは、次回に。