大津市の市民センター統廃合問題をめぐり、大手コンサルタント会社が2018年11月に、6支所の業務量調査を1日ずつ行っていたことがウオッチドッグの調査でわかった。大津市が支払った委託料は532万円。役所内の業務量調査をなぜ、外部の業者に委託する必要があったのかは明らかにされていない。

調査結果は、12月20日に越直美市長に提示された。外部のコンサルタント会社が、大津市の市民センター統廃合の「素案」を修正した「実施案」のコンサル業務を行ったといえる。この調査結果を受け、2019年2月1日に越市長が公表した「実施案」は、支所の人件費削減や窓口時間を9時から15時にするなど支所機能を縮小する方向の実施案となっている。

大津市の説明によると、随意契約で業務委託したのは、大手の富士通総研(本社・東京都港区)。契約額は、市民センターと児童クラブの業務調査を合わせて、995万円。このうち532万円が市民センター分に充てられている。委託業務は「市民センター業務量調査と人員数の分析」など。

現地調査の対象となったのは、膳所と瀬田南(大規模)、下阪本と田上(中規模)、伊香立と山中比叡平(小規模)の6学区だけ。2018年11月12日から15日にかけて、6か所の市民センターで、富士通総研から派遣された4人が2チームに分かれ、人の出入りを各1日ずつチェックしたという。

大津市が随意契約したのは人事課だが、富士通総研側との打ち合わせは、市民センター改革推進室の職員が行ったとしている。

調査対象となった支所長によると、調査は1日だけで、業務時間に市民センターに出入りした市民らの人数と、要した時間などをチェックしていたという。地域の特性などについての質問などはなかった。

2018年10月から11月にかけて36学区で「素案」を基に、意見交換会が行われていた。その真っただ中に、大津市は、外部へ委託した業務量調査を行っていたことになる。2015年には、36学区の支所長らが同じような業務量調査を行っていた。

↓大津市人事課から富士通総研へコンサル業務委託/9,946,800円

ウオッチドッグ記者は、大津市と富士通総研との随意契約の内容を見て、驚いた。次ページで紹介する。

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