大津市の2020年6月補正予算案が、市議会と市のホームページ(HP)に掲載されていないため、6月12日に市議会事務局まで取りに行った。市議会事務局と財政課へ、「予算案の資料ぐらい市ホームページに、早く出してくださいよ」と要望していたが、実現していない。

大津市役所の本庁舎に着くと、各課の窓口にアクリル板を用意したり(6月11日に設置したという)、出入り口にパイプ椅子を置き、アルコール消毒液を置くなど、6月になりようやく、大津市役所もコロナ対策を始めたという感じをもった。他所の自治体より、何ごとにも3カ月遅れている。

市議会事務局から「予算説明」の資料を受け取ったが、わかりにくかったので、ウオッチドッグが色分けし、一覧表にまとめた。

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市議会事務局から受け取った予算説明資料は、こんな感じ。
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5月29日の記者会見で、佐藤健司市長が、予算案のポイントをまとめたスライド資料を会見で配布し、広報課が市HPに掲載しました。これ、これ。この資料と、議会事務局から受け取った予算説明の資料を見比べてみました。この資料に書かれていない事業にも、ウオッチドッグは注目しました。というのも、積極的にPRしていない事業に、市長の本音が隠されていることがしばしばありますからねぇ。
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スライド資料は、色「コロナウイルス感染症対策」、黄色「健康づくり」、色「活力と魅力」→(この事業のイメージがわからない)、水色「暮らし、安心、支え合い」で、ピンク色「子育て支援」、緑色「学びの環境」というカテゴリーにまとめていますね。このカラーに沿って、下のウオッチドッグ作成の一覧の番号に、該当するカラーを入れました。一般会計だけに絞りました。
総務費
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まず、総務費は、1億9,649万円でした。

総務費の3番目は、広報課による「大津市緊急災害情報サイトの構築に要する経費の補正」477万円で、スライド資料の水色「暮らし、安心支え合い」の事業ということになります。昨年8月に市HPをリニューアルしたばかりなのに。今回の緊急事態における広報課の機能不全は、サイトの問題(ハード面)ではなく、運用側の問題(ソフト面)でしょうに。広報課の情報発信の遅さに批判が多かったから、新たに、災害情報サイトを作ることにしたということでしょうか。

10番目の和邇市民体育館の改修費3,372万円は、水色「暮らし安心支え合い」のカテゴリーで、大石淀グランドゴルフ場の造成や歩道整備費1,528万円は、イメージがわかりにくい紫色「活力と魅力」のカテゴリーに属します。グランドゴルフ場の造成が、「活力と魅力」にあたるそうです。誰にとっての魅力なのかなあ?
民生費
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民生費の総額は、24億6,231万円でした。

大きな額だけを説明すると、21番目の児童1人に1万円を出す「子育て世帯への特別臨時給付金」の4億3,000万円は、国庫支出金から出ている事業です。確か、内閣府の事業です。内閣府が、子育て世帯へ支援をPRしている事業ですね。

23番目の「民間事業所の運営経費に対する補助経費」は、市財源、県、国支出金を合わせ約16億円と規模が大きいものです。これだけの事業を、どうして当初予算として出さなかったのか不思議でした。取材によりますと、毎年、当初予算で出していたようですが、新市長の意向を聞いてからということで、6月補正予算にずれ込んだようです。越直美前市長が、民間保育所に対する支援に力を入れていたので、佐藤市政としては、たとえ規模が大きくても、代わり映えがしないので、スライド資料では強調しなかったということでしょうか?
衛生費
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衛生費の総額は、3億6,925万円でした。

医師会へのPCR検査センター設置の委託金が1,400万円でした。コロナ感染の患者を受け入れした医療現場への支援金は、計600万円でした。コロナ関連の衛生費は、計2,000万円です。医師会への委託金は多いですが、現場支援金は少ないんですね。

迷惑料として、大石の自治会へ自治会館の建替え費用として3,000万円を計上しています。自治会館建設が、土木費でなく、衛生費として計上されています。大津クリーンセンター焼却炉は稼働していないのに、まだカネを出し続ける矛盾。他の学区の自治会では、自治会館を建設するとき、市から受け取るのは上限600万円の補助金で、不足分は住んでいる人たちが、自らのお金を集めて充てています。
農林水産業費
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農林水産業は、3,538万円でした。

大津市は、農林水産業への支援は薄いのでしょうか? スライド 資料でPRしている「防災重点ため池整備」は、県補助金2,700万円を活用して行う事業のようです。災害の備えのためにも、県内の自給率をあげてほしいですね。
商工費
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商工費は、3,296万円です。

前回の5月補正で、小規模事業者支援に、10億円ほどのデカい金額を計上したので、6月補正は少ないと思ってましたが、「観光交流基本計画」策定に向けた意見交換会やイベント事業の負担金に、2,300万円が出るようです。意見交換会や負担金で、こんな金額がかかるのでしょうか?

テイクアウト・デリバリー事業の導入支援として500万円の予算を計上しています。今頃?という感じです。やることが遅いですね。掲げる政策が、市民の先でなく、後からついてきているようなものですね。
土木費
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土木費は、6億1,556万円でした。

スライド資料で強調しているものは、47番目の「生活道路拡幅推進費」ですね。水色「暮らし、安心、支え合い」に該当するようです。国庫支出金と市債も使う予定です。

都市公園整備費が多いですね。市長の政策の肉付け予算は、未来への種まきだそうですから(5月29日の市長会見録より)。都市公園整備して、「夢があふれるまち大津」になるそうです。

53番目と66番目は、けっこう大きな金額でしたが、どこの地域が該当するのか不明でした。

↓2020年5月29日の市長記者会見より抜粋

消防費
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消防費は、1億4,413万円でした。

スライド資料で強調しているのは、車両の更新と耐震性貯水槽などの事業です。佐藤市長の思入れが強い消防団の車両や、資器材等の整備事業費700万円(75番目)も取り上げれば良かったのにと思いました。
教育費
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教育費は、2億2,754万円ですが、そのうち、8,534万円は、学校給食の提供休止等に伴った特別会計繰出金ですので、省くと、1億4,220万円です。

オンライン学習関連やGIGAスクールについての予算がようやく出ました。

小、中学校の施設老朽化に対する長寿命化に向けた費用も出ています。対象の小学校は、堅田、膳所、晴嵐、藤尾です。同じく対象の中学校は、唐崎と瀬田北です。
債務負担
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債務負担行為は、地方自治法・第214条に規定されています。歳出予算の金額、継続費の総額又は繰越明許費の金額に含まれているものを除き、将来にわたる債務負担する行為を指します。予算で「債務負担行為」として定めるとされてます。
2020年6月補正予算で定めた「債務負担行為」の金額は、9億4,795万円でした。

↓地方自治法・第214条/e-Govから

↓大津市の令和2年度6月補正予算【第1次】(案)一般会計款別一覧表

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市長って、肉付け予算として、入れたい事業を入れられる強大な権限を持っているですねぇ。それなら、佐藤市長が、市議、県議時代から、ほったらかしの「旧湖南有線放送」の電柱撤去の費用も、肉付け予算に入れることができたんじゃないのかなあ? 市長になっても、どうして知らんぷりなんでしょう? 地元の話でしょうに。

一部自治会へたっぷりの地区環境整備事業補助金(迷惑料)を出すぐらいなら、大津市民の安全のために、旧湖南有線放送の電柱撤去に動いて下さいよー。

それこそ、「土木費」で。

1,000本超の電柱が放置/住民から「腐って危険」指摘も/電線は全長97㌔/県・大津市は責任押し付け合い/旧湖南有線放送/ウオッチ滋賀№20

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