大津市の佐藤健司市長が代表を務める、自民党瀬田東支部が、2018年度分の政治資金収支報告書を3月13日現在、提出していないことが分かった。提出期限は昨年4月1日で、既に期限を11カ月半近く経過している。滋賀県選挙管理委員会は昨年8月19日に督促状を出しているが、無視された形になっている。3月末までに提出しなかった場合は、政治資金規正法の罰則(禁固刑など)が適用される可能性がある。現職市長の説明責任が問われる異常事態となっている。

県選管が自民党瀬田東支部に督促状を出した昨年8月は、大津市議会の湖誠会と新和会の市議ら10人が、佐藤氏(当時は県議)へ、大津市長選への出馬を求めていた時期だった。佐藤氏は市長選に出馬し、今年1月、市長に当選した。

自民党瀬田東支部は過去にも、政治資金収支報告書の提出遅れがあった。2017年度分は2018年3月末までに提出せず、9カ月遅れの12月28日に提出していた。提出された報告書の本文は、表紙や宣誓書を合わせて10枚(領収書などの添付書類除く)。内訳を見ると、収入が自民党滋賀県支部連合会からの1件と、建設会社から寄付が2件、政治活動の内訳は4件だった。

佐藤市長の「政治とカネ」の問題をめぐっては、朝日新聞と京都新聞が市長選前の昨年12月、自民党瀬田東支部が2015年4月に、前年に受けた企業献金150万円を個人として受け取っていたことが発覚し、政党支部を経由した抜け道の「迂回献金」ではないかと報じた。佐藤市長は就任後、一度も記者会見を開いておらず、この問題についても説明する機会を設けていない。

↓自民党瀬田東支部の代表者(佐藤健司市長)と会計担当者へ、2019年8月19日に、滋賀県選挙管理委員会から送付された「政治資金収支報告書」の提出についての督促状。

↓滋賀県選挙管理委員会から、政治団体の代表者と会計責任者へ、2018年12月28日に送付された「政治資金収支報告書」の提出依頼の書面。

↓参照記事:2019年9月9日付・ウオッチドッグ。(※この報道されていた時期には、既に、選管から督促状が出されていたことになる)

20人の大津市議は誰?/佐藤県議への市長選出馬の要請で/ウオッチ市議会№10

2019年12月5日付の京都新聞

【政治資金規正法の目的】政治活動の公明と公正を確保し、民主政治の健全な発達に寄与する

政治資金規正法の目的は、下記の通り。

「議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性及び公職の候補者の責務の重要性にかんがみ、政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治団体の届出、政治団体に係る政治資金の収支の公開並びに政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の授受の規正その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もつて民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする」

【政治資金規正法の罰則】報告書を提出しなかったら、5年以下の禁固又は100万円以下の罰金