【🎁あの日あの時】大津市役所の大会議室で
2014年5月2日に、大津市役所1階の自治協働課へ行くと、自治連合会の事務員が待っていて「別の場所で会長がお待ちです。ご案内します」と伝えられた。そのまま、一緒にエレベーターに乗った。

3階で降り立つと会議室に案内された。

なんで、任意団体が市役所の会議室を勝手に使っているんだよ。それも自治会のことで。任意団体の長が市役所を私物化している!

広い会議室の入り口近くに長机が2台向かい合わせになっていて、大津市自治連合会長と事務局長が座って待っていた。

まるで、取調室のようだ。

大津市自治連合会長と事務局長が立ち上がって挨拶した。

大津市自治連合会長の安孫子です。

会長の向い合わせの椅子に座ることを促されると、案内した事務員が、別の机の椅子に座り、開口一番こう言った。

この会話を録音させていただきます。

なるほど。

どうぞ。でも録音したテープを私にもダビングしてくださいね。

安孫子会長は、ギョッとした表情を見せた。

まぁ。そう言わんと。お互い信頼関係だ。必要ないだろう。

そう言って事務員に録音を止めるような仕草をした。

構いませんよ。せっかくだから、録りましょう。

安孫子会長が録音についてうやむやとごまかした。

大津市自治連合会の資料が見たいということだが、どんな資料が必要なんだ?

収支決算書や、総会資料など財務関係の資料を見せてください。

わしの一存では決められない。

自治会員が見せてほしいと言っているのに、どうして見せられないのですか? 大津市から運営補助金300万円も出ていますよね。何に使っているんですか? 余剰金や積立金はいくらなんですか?

余剰金も積立金も一切ない。

ない?

60周年記念事業式典が、今年行われるから、昨年から積立を始めている。

自治連合会ができて60年。今まで、余剰金も積立金もなしですか? けっこうな金額ですよね。何に使ったのですか?

いろんな経費に使っている。

60周年記念事業式典なんて聞いたことがありません。市民は知りません。また、自治連合会長だけで飲み食いする会ではないですよね?

していない。

(注:後の調査で、やはり飲み食いするだけの会であったことが判明)

だから、そういう使途を明らかにしてください。

あんたも組織の人間だからわかるだろう。手順というものがある。

わかりませんね。会長たちのポケットマネーで運営しているのなら何も言いませんよ。自治会員みんなのお金と補助金で運営しているのですから、公開していただかないと。見せてください。

あんたのような馬力のある人が(大津市自治連合会の)役員として出てくれたらな。

オイオイ、次は勧誘だ。何が楽しゅうて飲食サークルのような爺さんだらけの組織に入るか。

出ませんよ。自治会員に自治連の資料を見せてください。

あんたが本当に自治会員かわからない。

えっ。自治会員ですよ。そもそも自治会員でなくても、市の税金を使って運営しているのですから、市民に公開しなければならないでしょ。

自治会員でもない人物に見せるわけにはいかん。あんたが言う学区に本当に住んでいるかどうかわからない。

はぁ? では、うちの学区自治連合会長に、今すぐ電話してください。電話に出たら代わってください。知ってますから。(事務員に向かって)電話番号は知ってますよね?

またギョッとした表情になった。

それはできない。まだ、挨拶がすんでいない。

昨年度の自治連合会長でもいいですよ。その人物も知っています。

それはできない。

どうしてですか。電話してくださいよ。

あんたも強情な人だな。できないものはできない。

言っていることが無茶苦茶ですよ。では、資料を見せてください。

わしの一存では決められない。他の役員のみなさんに、安孫子は何をしている、子どもの使いかと言われる。今度、総会があるから、その時にだな、会計や監査の担当の了承を得る必要がある。

了承を得るも何も、元々、自治会員に公開しなければならない情報でしょう。

大きな声で、
みなさんの了承を得てから。

了承をいただいて、総会後なら資料を出してくれるのですか?

約束する。だから、あんたも約束せい。

何をですか?

住所を言え。

はぁ?

今度の総会で、どこどこの何番地に住んでいる大井何某から、こういう要求があったと皆さんに報告する。

冗談じゃないですよ。収支を見せて下さいと言っただけでどうしてそんな話になるんですか? 最初の電話で、地域名も名前も電話番号も伝えてます。

あんたは、腹黒い。

腹黒いのは、どっちじゃ 👿

大津市自治連合会長が「あんたは腹黒い」と言い放った。勧誘の後は、自宅住所を聞き出しての恫喝モードに突入した。財務資料の開示を求めた一市民を呼び出して、恫喝まがいの言動をする。しかも、場所は、市民のために存在するはずの市役所の会議室だ。

「腹黒い」発言が出た後、ウオッチドッグ記者はカンカンに怒って、「資料を見せてくださいと言っただけでこんな目にあうなんて。これから、秘書課に行ってきますわ」と捨て台詞を吐いて、会議室を出た。「ちょっと待って、大井さん」と安孫子会長が焦った声を出していたが、お構いなしだった。そのまま秘書課に向かい経緯を伝え、「自治連の資料の開示を求めたところ、市役所の会議室に呼び出され、大津市自治連合会長から恫喝されました。市長にお伝えください」と、伝言をお願いした。

もっとムカムカしたのが、自治協働課の対応だった。収支を見せてほしいと言った市民を自治連合会の事務員が会議室まで連れて行くことを、自治協働課の職員は知っていた。一般的に、庁舎内の会議室は、任意団体は使用できない。市職員が管財課に、部署として使用する旨を申請して初めて使用できる。大津市の職員は、大津市自治連合会長らが、自治連の資料の開示を求めた市民を、密室の会議室で取り調べすることを容認していたことになる。

秘書課の職員と共に、一連の経緯を伝えに、自治連の担当課でもある自治協働課へ向かった。そこには、先ほど市民を会議室で恫喝した安孫子会長と仲良く談笑している市職員の姿があった。ウオッチドッグ記者は、談笑している会長と市職員に向かって「先ほどの約束は必ず守ってくださいよ。自治協働課は、責任を持って、自治連合会に資料を出させてください」と念をおした。

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