湖南有線放送の放置電柱の問題をめぐり、ウオッチドッグが滋賀№21で既に報じている通り、滋賀県議会では県議は誰ひとり質問していない。大津市議会でも質問した市議は少数だった。市民の安全に関わる問題について、これだけの長い間、県や市が無責任な対応を続け、組合の清算処理の指導ができなかった。にもかかわらず、市議や県議の関心は低かった。地元の住民から相談を受けて、動いたり質問したりした市議や県議もいたが、限られていた。

自民党の議員は、本会議や委員会で誰も質問をしていない。電柱が放置されたまま残る瀬田地域には、佐藤健司県議(自民党)もいる。佐藤県議は、2004年から2期、大津市議でもあった。

佐藤県議との一問一答

ウオッチドッグ記者は、ウオッチ滋賀№20の記事を発信した後、「どう考えてもおかしい」と疑問に思ったので、県庁の自民党控室に行き、「佐藤県議にお渡し下さい」とウオッチドッグの記事を届けた。佐藤県議には、8年前の医療観察病棟の調査時に取材した経緯もあり、面識もあった。しかし、連絡先に電話をしても、留守電に伝言をしても議員から連絡はなかった。知らない人物からの電話ということでもあるまいし、「どういうこっちゃ」と再度、自民党控室に電話をして、「電話ください」と伝言をお願いした。2月7日にやっと電話がきた。

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先日の記事は受け取りました。放置していたということではなくてですね。あれは、法律の問題が絡んでいて、行政ができるということがなかなかできないことになっています。湖南有線放送というところが、すでに解散しているので、撤去するのにも撤去できない状態になってまして。湖南有線放送自体が「民」で、電柱も「民」にある「民・民」の問題で、行政としても手がつけられなかった経緯があります。私も住民の方から電柱をどうにかしてほしいという声を聞いてまして、何とかしようとやってきたのですが。本会議や委員会で発言しなかったから、何もしてなかったということではないです。私は当時の担当課に、何とかしてほしいと要望を伝えてました。そういう働きかけもあり、占有位置調査をするために、2009年から臨時職員の緊急雇用に動きだした経緯があります。
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ということは、議員は、当時からご存知だったということですよね? 確か、議員が市議会議員になったのは2004年だったはず。その頃から知っていたということですか?
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知ってました。どうにかしてほしいというご相談も(市民から)受けてました。
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本会議でも委員会でも言ってないということでしたが、では、何か要望書を出したんですか?
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出してません。
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口頭ですか?
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そうです。証拠を出せと言われてもないものはないですが。
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先ほどから、「民・民」問題と言われてますが、市道や県道にもありますよね。
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公道にあるものに関しては、危険なものから撤去するということになってます。湖南有線放送の団体が、清算していないので、撤去ができないので、危険なものを見つけたら撤去してもらってます。撤去費用が請求できないので。
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なぜ、湖南有線放送に請求できないのですか?
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ウオッチドッグの記事に、湖南有線放送の責任を問うべきというようなことを書いてましたが、私はそれをしても仕方がないと思います。今、できることをすることのほうが大事なのではないかと思います。
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湖南有線放送の理事らは、まだいますよね。だったら、請求できたのではないですか? なぜ、それをしなかったのか不思議ですね。

~ウオッチドッグ記者は、この時点で、代表理事が2010年に死亡していた事実を知らなかった。~

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法律上の問題も絡みます。民法では10年経ったら、請求できないとなっています。

~ウオッチドッグ記者は、この佐藤県議が発言した「民法では10年経ったら請求できない」という発言を聞いて、「そうか」と気づいた。~

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しかしですね。団体が解散の総会を開いたのは、2005年ですよね。その時に請求できたのではないですか。なぜ、しなかったのですか?
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なぜということまで知らないですが、民間のことということで、できなかったのではないでしょうか。行政が関与するものではないということで。何度もお伝えしてますが、過去のことより、これからどうするかを考えていくのが先決ではないですか。
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議員も記者(NHK)でしたよね。過去に何が起きていたのか、なぜ、しなかったのかを責任の所在を明らかにしなかったら、同じことが繰り返されるのではないですか。責任の追及はするべきじゃないんでしょうか。議員は、大津市が関与していなかったかのようにおっしゃいますけど、私の手元には、大津市がこの団体と深く関わっていた資料があるんですよ。市が密接に関わっていた団体なのだから、撤去についても責任を持つべきでしょう。撤去費用の補助金を出すとか。代替わりして、経緯を知らない民有地の住民に今までの経緯と撤去について情報を伝えて、どういう解決方法があるか一緒に考えるために窓口を一本化するとか。
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記者が主張の質問をするのはどうかと思いますが。こうあるべきと主張を前提にお話しされると、私のほうでも、どう話をしたらよいか困ります。
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なぜ、そうなったのかを疑問に思ったことを聞いてはダメなんでしょうかね? 記者には、そんな決まりがあるんですか? うちのサイトでも取り上げていますが、明治の新聞に興味を持ってまして。宮武外骨の記事も取り上げてるんですけど、明治の記者に、そんな決まりはなかったようですけど。
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徳富蘇峰の新聞もそうでしたが、当時の記者は、自身の主張を新聞にしていて…。

佐藤県議とは、いくつかやりとりをしたが、「過去のことより、これからのことを」と何度も言っていた。ウオッチドッグ記者は、「次回、お会いしたときに、佐藤県議が顔を出していた(過去の)南部自治連協議会について、ぜひお話を聞かせていただきたいですね」という言葉で締めくくった。

佐藤県議が参加していた南部自治連協議会については、ウオッチドッグの前身、大津WEB新報が何度も取り上げている。