元農水大臣の岩永峯一氏(77)が理事長を務め、観光ホテルを営業している一般財団法人「滋賀県青年会館」(大津市唐橋町)が、2017年11月の県との協議の中で、職員への圧力だけでなく、問題発言を連発していたことがわかった。

岩永氏が理事長だった50年間、滋賀県青年会館は、増築と改修費として県から補助金約2億4千万円を受け取っていた。しかし、岩永氏らは、県と協議の中で「県に負担を掛けないよう、自助努力をしてきた」、「青年団が衰退していく中、青少年活動を続けていくために、収益事業で赤字を埋めるよう努力してきた」などと強弁していた。

さらに「過去50年間の努力や活動の経緯を県担当部局には説明してきた。監査結果や報道には反映させておらず、踏みにじるものだ」「こんな恥さらしな結果でありながら、反論のチャンスがなかった」などと、言いたい放題の状態に。

岩永氏らの言いたい放題に対し、県子ども青少年局の職員は「青年の殿堂と我々は認識しているが、一般県民と認識の差があるのも事実。一般県民にこのことを理解してもらえるよう強調していかなければならない」となだめている。

青年会館は増改修の際、約2億4千万円の補助金を受け取り、さらに、土地代の使用料に相当する約1,100万円は、支払いを免除にしてもらうなど、長年、様々な特別待遇を受けてきた。また、青年団の活動支援のためという名目で、県から多額の補助金を受け取っていた。

2017年9月に行われた県監査委員の随時監査では、「近辺の同業者は不公平という思いがあるのでは」「インターネットで調べると旅館として出てくる」などと厳しい指摘を受けていた。税金で増築した会館を、一般客相手のホテルとして営業していることについて、精査した監査委員は、「法人に関係した範囲の収益事業でない」「庶民感覚とは違う」と指摘していた。

これまでウオッチドッグは、理事長である岩永氏本人の主張を聞くために、再三、接触を試みたが、すべて拒絶されている。

 

2億4千万円を滋賀県が補助/青年会館の増築と改修/岩永元農水相の財団へ/ウオッチ滋賀No. 6

「同業者に不公平」/監査委員が厳しい指摘/無償提供の県有地で旅館業/滋賀県青年会館/ウオッチ滋賀№4

領収書なしで補助金計1,100万円/青年会館へ6年間/「問題ない」と滋賀県/ウオッチ滋賀№11

青年会館の事務長へ補助金/「センター事業」年53万円全額/ウオッチ滋賀№12

青年団の宿泊費を全額負担/県の補助金71万円から/青年会館問題/ウオッチ滋賀№15

主催側「運営委員」の宿泊費も負担?/青年団の宿泊研修/県補助金、年71万円/ウオッチ滋賀№17

岩永理事長は取材拒否/出勤予定も不明/県有地タダの青年会館問題/ウオッチ滋賀№8

【取材メモ】「いつなら?」「わかりません」/青年会館の事務長との一問一答/岩永理事長への取材で/ウオッチ滋賀№9

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